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【卓球】あなたの戦型は?自分に合ったプレースタイルの選び方

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前回、卓球をはじめたい人に向けて、練習場や道具の選び方について詳しく教えてくれた藤井寛子さん。今回は、プレースタイル(戦型)の選び方を解説。体格や性格によっても異なるという。卓球初心者が悩むプレースタイルの選択について語ってくれた。(取材・文/二株麻依)

自分の体の特長をいかせば可能性は無限大

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——卓球はどんな体格の人が向いている競技なのでしょうか。

藤井寛子(以下、藤井):どんな体格の人でも十分強くなれます。背が高くても低くても、少しぽっちゃりしていても痩せていても、自分に合ったプレースタイルがあります。例えば、バレーボールとかバスケットボールは、身長が高いかどうかが大きく関わると思います。卓球だとどうでしょうか。例えば、伊藤美誠選手。そこまで高くないですよね。だから、台の近く(前陣)でプレーするスタイルを選択できて、うまくそれが噛み合えば、本当に強くなれるんです。実はトップクラスの選手でも運動神経が抜群な選手はあまりいなくて。不得意なことがあったとしても、自分の体の特長をいかしたプレースタイルで磨きをかけていけば、可能性は無限大に持てます。そこが卓球の大きな魅力でもあります。

——体格の違いでどんなプレースタイルを選べばいいか、具体的に教えてください。

藤井:卓球には、大きく分けて、攻撃型と守備型のプレースタイル(戦型)があります。小柄な選手の場合は、台の近くに構えて、ボールを早い打点で打つ「前陣速攻」と呼ばれる攻撃型のスタイルがおすすめです。身長が低い分、ボールが高く見えるんですよね。すると、スマッシュなど強打がしやすくなります。体の大きい選手に比べて、小さく素早く体を動かすことができるので、ピッチの早いプレーができるようになれば、伊藤選手のように、日本や世界のトップになれるぐらいの活躍ができると思っています。逆に、台から離れてしまうと、プレーの領域が広くなってしまうので、大きく動かされた時にボールのところまで手が届きづらくて自分の良さをいかせなくなります。

——体の大きい選手はどうでしょうか。

藤井:体の大きい選手は、腕や脚が長い分、遠くのボールにも手が届きますよね。例えば、守備型の「カットマン」というスタイルがあるのですが、腕や脚の長さをいかして体を大きく使ってラケットを振り下ろし、回転の変化をつけていくプレーをします。それと足の速さがうまく噛み合えば、前後左右に大きく動かされても強い選手になります。攻撃型のスタイルだと、少し台から離れて両ハンドドライブ(フォアもバックも大きく振って回転をかける技)を多用するスタイルを選んでも良いと思います。
フォアが得意だとか、バックを振るのが好きだとか、俊敏性があるとかなども判断材料になります。実は性格も大事で、粘り強いタイプなら守備型、短気だったら攻撃型が向いていると思います。それらもうまく加味したうえで、プレースタイルを選択していけると本当におもしろい卓球ができると思いますね。

本人が理解し納得できる方法を探る

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——プレースタイルは自分で判断して決めるものなのでしょうか?

藤井:自分で決める人もいれば、指導者のアドバイスをもとに決める人もいて。半々ぐらいなんですよね。今うちの教室に通っている男の子は、はじめ攻撃型のスタイルで練習をしていたのですが、自分から「カットマンになりたい」と言って、カットマンになりました。その逆もあります。バックがあまり得意でなくて俊敏性には欠けるけれども、回転に変化をつけて得点するパターンだとこの子の良さが出ると指導者が思えばこちらから話す場合もあります。

——チームに1人はカットマンがいた方がいいという話も聞きますが、本当ですか?

藤井:確かに、チームによってはそういう選択をする場合もあります。対カットマンの攻略練習がチーム内でできるのと、チームにさまざまな戦い方をする選手が居れば、団体戦で強みにもなります。うちの教室に来ている人で、昔、中学高校時代にカットマンをやっていたという人がいます。その学校では、いろんなプレースタイルの人を育てようと、各学年の部員を3分割して、「あなたはペン(ラケットの種類)」「あなたはカットマン」と言われて振り分けられたそうです。本人はそこで自動的にカットマンになったのですが、本当は攻撃型の選手になりたかったみたいで。今は攻撃型に転身して頑張っていますよ。指導者が、体格や性格をいかしてこういう可能性があるよというふうに言ってあげるとその子のやる気度も変わります。大事な選択なので、本人が理解し納得して取り組める方法を探るのが大事です。(続く)

>>第1回:盛り上がる卓球人気 老若男女がハマるその魅力とは?

>>第2回:卓球、どうやって始める?用具選びの要点を解説

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