稲本潤一のあのゴールが決意させた、アスリートのための下着作り!?
競技専用の下着作りにも着手中
今取り組んでいるもののひとつがラグビー専用パンツです。ラグビーはポジションによって、選手の体型や動きも大きく変わります。それについては、「基本の形は極めているつもりなので、少しずつ変えて、全ポジションの選手に合ったものを作ることができると思っています」と話してくれましたが、一部の選手から出たある要望には少なからず迷われたようです。
「うちのパンツはまるで履いていないような、しめつけがないことが特徴ですが、競技中用にコンプレッション(圧迫、いわゆる着圧)が欲しいとの要望がありました。うちの本来のコンセプトとは真逆ですが、スポーツアスリートを応援する以上、コンプレッションは必要だと思い開発を決めました」
開発を決めた野木さんが着目したのが女性のヒップを強力にサポートしてくれるガードルでした。
「あるレディースのガードルを作っているメーカーの世界に一台しかないという機械を探し出し、事情を説明したところ、『面白い』と言ってもらえて、共同開発という形でその機械を使わせてもらえることになりました。時代に逆行したローゲージという粗い編み機(包帯と同じくらい)なので、太いパワーのあるスパンデックス(ゴム)を入れることができ、パワーがある、粗い包帯のような生地を編むことができるんです」
コンプレッションを兼ね備えた新しいパンツはアスリート界の下着にさらなる革新を起こしてくれそうです。
創業から10年。創業した際に思い描いた10年後の目標はクリアできたかお聞きしたところ、「全然、まだまだです。従業員も4人の小さい会社なので、チーム契約ができません。アスリートもトップの選手になればなるほど、大手メーカーとの契約があるので、そこらへんは難しいですね。ラグビーW杯、東京五輪とこれからまたビッグマネーが絡むので、簡単ではありませんが、選手が良いと喜んでもらえるものを作り、提供し続けていけたらいいと思っています」と話してくれました。
2002年の日韓サッカーW杯での稲本 潤一選手のゴールに感動して始めた野木さんのアスリートのためのパンツ作り。徹底したこだわりと情熱で、常に満足することなく日々開発を続けられており、今後の新作も楽しみです。
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