
写真:Aurelien Meunier
12月9日、いよいよカタールW杯の準々決勝が始まる。
優勝候補は何と言ってもサッカー王国ブラジルだろう。
フランスやイングランド、アルゼンチン、オランダといった強豪国も残っているが、ブラジルが優勝に1番近い「理由」がいくつも揃っているからだ。
完全なるローテーションに成功している
ブラジル代表は、グループステージ第3節のカメルーン戦で大胆なローテーション策を講じた。
第2節のスイス戦からスタメンを9人も入れ替えたのだ。
これによって、多くの主力が中3日の連戦によるコンディション不良を回避できた。
今大会唯一登録された26人すべての選手が試合に出場している国であり、それだけ「余力」があるのだ。
韓国戦の後半にペースダウン
決勝トーナメント1回戦の韓国戦は、前半で4得点を奪い一気に試合を決めた。
後半のブラジルは、まるでエンジンを切ったかのような低調ぶりだったが、それは準々決勝を見据えていたがゆえの采配だったと言える。
準々決勝は、万全のブラジルと主力が日本との激闘で疲れ果てているクロアチアとの試合ということで、かなりブラジルが有利な状況だ。
ネイマールの復帰
一流の選手が揃うブラジルだが、やはりネイマールがいるとさらにワンランク上のチームとなる。
W杯の初戦でネイマールが怪我を負った時には、世界中のサッカーファンが落胆したが、決勝トーナメントのタイミングで復帰できた。
12日間の間が空いたことになり、現在のネイマールは逆にコンディションが良い状態だと言えるだろう。
他のチームが少なからず疲労を抱えた状態でベスト8に辿り着いたのに対して、ブラジルは圧倒的にコンディションが良好なのだ。
ブラジルの唯一の死角
前述した理由から、現段階で優勝にもっとも近いのは、ブラジルで間違いないだろう。
唯一の死角としては、「調子が良すぎる」という点が挙げられる。
こういった大きな大会では、意外と順調すぎると良くないと言われている。
特にブラジルは、ひとたび調子が狂うと立て直すことが苦手な国でもある。
このままその実力と勢いで優勝トロフィーまで辿り着く可能性は高いが、粘り強く耐えてワンチャンスをものにされてしまうと、一気に崩れ敗退してしまうかもしれない。
日本を破ったクロアチアはまさにそんな「不屈の精神」を持った国であるがゆえに、番狂わせが起きる可能性もあるだろう。
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