「行方不明だった」ソシエダ戦の久保建英に現地メディアは酷評。逸機は「決まれば試合展開は変わったかも」と指摘も
現地時間3月2日、順延されていたラ・リーガ第21節が行なわれ、マジョルカはレアル・ソシエダに0-2で敗れて、3連敗を喫した。
今冬の選手補強が効いてチーム力が上がったマジョルカは、カディス戦(23節)、アスレティック・ビルバオ戦(24節)と連勝。一気に降格圏との勝点差を広げていくと思われたのも束の間、そこから2連敗で欧州カップ戦圏内(6位)の強敵をホームに迎え入れた。
この試合でも悪しき流れは変えられなかった。35分にミケル・メリーノの見事なスルーパスで抜け出したダビド・シルバに先制ゴールを許すと、62分にはセットプレーからメリーノに自身のヘッド弾のこぼれ球を鋭く詰められて2点差。最後までこれを挽回することはできなかった。
この試合、ホームチームは多くのチャンスを創れなかったが、そのなかで55分にダニエル・ロドリゲスが左サイドを突破して上げたクロスを相手DFがクリアしたところで、久保建英でフリーでのシュートチャンスを迎えた。が、日本代表MFの狙いすましたダイレクトボレーは枠に飛ばなかった。
この場面だけでなく、7戦連続でスタメン入りした20歳は、図抜けたプレーを披露し続けた4日前の26節バレンシア戦とは打って変わり、精彩を欠いたプレーを終始して、70分にイ・ガンインとの交代でピッチを退いた。
ルイス・ガルシア・プラサ監督は、選手の労をねぎらいながらも、「アマト・エヌディアイエとタケにとって、今日は彼らの日ではなかった。タケとは話をした。前の素晴らしい試合ではベストなプレーを見せたが、今日の彼は何をしたのか分からなかった」と厳しい感想を述べている(マジョルカの地元紙『Diario di Mallorca』より)。
また、現地メディアの評価も一様に厳しく、3点満点での採点方式をとっているマドリードのスポーツ紙『AS』と『MARCA』、そして5点満点のバルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』のいずれにおいても、「1」がつけられ、『AS』は「GKアレックス・レミロが倒れている状況でボレーを決め損ない、ボールは枠の外を外れた」、『MUNDO DEPORTIVO』も「マジョルカが息を吹き返す可能性を示し、クボがリバウンドをシュートしたが、それ以上は何も起きなかった」と、それぞれ戦術の逸機に言及した。
さらに『MARCA』も「同点にする機会があったが、シュートはうまくいかなった」と同じ指摘。しかし、同紙は「L・ガルシア監督の“生徒”たちがダイナミックで危険な試合を展開できないなかで、アントニオ・サンチェスと久保はわずかに、ソシエダの守備陣に脅威を与えた」と、ポジティブな評価も与えている。
一方で、地元マジョルカのメディア『Ok Baleares』の見方はやはり厳しく、「序盤の遠目からのシュートで有望なスタートを切った」としながらも、逸機の場面について「クボの明らかなチャンスが決まっていれば、試合展開が変わった可能性がある。0-1は1-1とならず、間もなくして0-2となった。その意味で、決定的なプレーだった」と指摘。選手個々の寸評記事でも、「行方不明だった。日本人選手は何ももたらさず、チームは過剰に反応した」と、厳しい言葉ばかりが並んだ。
構成●THE DIGEST編集部
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