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「俺がやらなきゃ誰がやる」。鹿島アントラーズ・関川郁万が迎える真価の問われる1年

不動のCBになるために真価が問われる1年

あれから3年、高校年代からの持ち味であるフィジカルはさらに磨かれて、誰の目から見ても屈強と言える風貌を醸し出している。

一方でプレーはまだまだ荒削りでミスが多いことは事実だ。いばらきサッカーフェスティバルの水戸戦では関川のクリアが決勝ゴールに繋がった。王者・川崎フロンターレとの一戦も、自陣でのミスが失点に繋がっている。

だが、CBは経験が物を言うポジションで、どれだけ実戦のピッチに立って、ミスを重ねながらそれを糧にして成長していけるかが大きなポイントとなる。その目線で言えば、彼は順調に成長を重ねていると言えるし、昌子や植田のように鹿島から世界に羽ばたいていける道筋も見えつつある。

J1リーグ開幕戦のアウェイ・ガンバ大阪。スタメン出場を果たした関川は、刺激を受けた昌子と敵CBとして対峙した。チームは3-1の勝利を収めた。

脳震とうの影響で前半のみの出場となり、不完全燃焼の開幕戦となったが、これも彼は成長への糧とするに違いない。なぜならばプロ4年目の今年はさらに経験の質を高め、鹿島にとって不動のCBとならなければいけない、真価が問われる1年だということを理解しているからだ。

「俺がやらなきゃ誰がやる」。

高校時代から変わらない研ぎ澄まされた闘争本能をピッチで表現する関川の姿が、これから非常に楽しみでならない。

■プロフィール
安藤隆人(あんどう・たかひと)

1978年2月9日生まれ。岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに転身。大学1年から全国各地に足を伸ばし、育成年代の取材活動をスタート。本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、柴崎岳、南野拓実などを中学、高校時代から密着取材してきた。国内だけでなく、海外サッカーにも精力的に取材をし、これまで40カ国を訪問している。2013年~2014年には『週刊少年ジャンプ』で1年間連載を持った。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)など。

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