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黄金期を知る38歳、D・アウベスの電撃帰還をバルサ地元紙は歓迎! 一方でマドリー側は「引退したと思っていた」と皮肉

5年ぶりの古巣復帰を喜んでいるダニエウ・アウベス。その電撃的な契約は小さくない話題となっている。(C)Getty Images
11月12日、スペインのFCバルセロナが、今年9月までサンパウロでプレーしていた38歳のブラジル代表DFダニエウ・アウベスの加入を発表した。5年ぶりの古巣復帰となる。

2008年にセビージャからバルサに移籍したD・アウベス。右SBとして効果的な攻撃参加を見せたセレソン戦士は、リオネル・メッシの覚醒を助け、バルサの黄金時代の創成に大貢献し、8シーズンの在籍期間でラ・リーガ6回、コパ・デル・レイ4回、チャンピオンズ・リーグ3回、クラブワールドカップ3回などのタイトルを獲得した。

以降はユベントス、パリ・サンジェルマンというビッグクラブを渡り歩き、2019年に母国の名門サンパウロで背番号10として中盤で活躍していたが、今秋にクラブの財政事情による給与未払いのため契約を解除していた。

今夏にはブラジル五輪代表として来日を果たし、いまだ活力に溢れる大ベテランは、苦境に陥っているバルサの財政事情を鑑み、週給わずか1ユーロ(約130円)+ボーナスという契約で復帰を決断。自身のSNSでは「ほぼ5年間、この瞬間のために狂ったように戦い続けた。こんなに時間がかかるとも、これほど困難だとも思っていなかった。しかし、私は心や魂の中で、この日が来ることを知っていた」と情熱を込め、さらに以下のように古巣帰還を喜んだ。
「(5年前に)バルサを去る前に言ったように、私はあなたたちの1人だ。この夢がいつまで続くかは分からないが、それが永遠であるよう願っている!初めての時と同じような期待と、世界最高のクラブの再建に貢献したいという同じ願いとともに、私を最も魅了した場所で、近いうちに会おう。我が家に帰って来たぞ!」

クラブのレジェンドであるチャビが監督として帰還したバルサは、公式サイトで「クラブ史上最高のSB」とD・アウベスを称賛し、「6番のテーマは続く。チャビと、彼が退団した後に背番号6をつけたD・アウベスが再会することになったのだから。リーガの再開に期待することは多い」と期待を寄せている。

なお、彼が実際にバルサでプレーできるのは、冬の移籍市場が開く来年1月に入ってからで、実現すれば2014年のホセ・マヌエル・ピントを抜いて、クラブ史上最年長選手になるという。

バルセロナのスポーツ紙『SPORT』はチャビ新監督の下で最初の補強を好意的に報道。D・アウベスが11月15日にメディカルチェックを受けてから、さっそく同日の夕方に予定されている練習参加を、「新指揮官から望まれている」と報じている。そして、彼が新たな時代を迎えるバルサにおいて、非常に重要な役割を担うと主張する。

「チャビが彼に与える役割が、ピッチ上だけでなく、ロッカールームにおいても非常に重要なものとなる。バルサの黄金時代において最もカリスマ性のある選手のひとりであり、38歳の今なお闘争心を持ち、トップレベルでの競争力を保ち続けている彼は、若いグループに経験、勝利への野心、リーダーシップをもたらすことができる。その性格、楽観主義、競争力を仲間に植え付けるであろうD・アウベスは、すでに契約合意の日にその精神をファンに伝えている」 このように、バルサ再建において大きな期待を寄せられているD・アウベスだが、宿敵レアル・マドリーのメディアやファンもこれに注目。ただ、こちらはやや皮肉をまじえた見方であり、専門サイト『Defensa Central』は「今夏、バルサはベティスからレンタルバックしたブラジル代表のエメルソンをすぐにトッテナムに売却し、その3か月後にこれを後悔し、38歳とD・アウベスと契約した」「バルサのファンの多くは、このブラジル人はすでに引退したと思っていた」と報じた。

また、同メディアは「古いレジェンド」のバルサ復帰に対して、マドリディスタがSNSにアップした「マドリーも出遅れてはいけない。ロベルト・カルロス、そして中盤の強化のためにジネディーヌ・ジダンと契約しなきゃ」「ロベカルがマドリーに戻るようなもの。フェルナンド・イエローとリカルド・ガジェゴ(いずれもマドリーのレジェンド)とも話し合っているとか」「バルサの発表の後、マドリーはロベカルの左SB復帰を模索した」とライバルを茶化した投稿を紹介した。
マドリーの見方はさておき、チャビに続いて、D・アウベスとレジェンドが復帰したバルサ。そこで、多くのファンは今夏に本意ならざるも愛するクラブを去ってパリ・サンジェルマンに新天地を求めた大エースのリオネル・メッシの帰還も期待しているようだが、マドリードのスポーツ紙『MARCA』は、チャビ監督就任時に「早期のカンプ・ノウ帰還は考えられない」と断言した。

また、スポーツ専門メディア『EUROSPORT』は「(パリSGとの)契約が切れる2023年に36歳となるメッシが帰る日を指折り数えながら待つのは馬鹿げている。バルサは再建の時期に入った現実を受け入れる必要がある。これがうまくいけば、36歳のフリーエージェントと署名する必要などなくなるだろう」とこちらも否定的。メッシ本人が語ったように、引退後に強化部長としてバルサに復帰するのが現実的だとしている。

構成●THE DIGEST編集部

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