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WEリーグ初代チェア 岡島喜久子 KIKUKO OKAJIMA Vol.2「コロナ禍での新リーグ立ち上げ」

コロナ禍で苦戦するスポンサー探し

──岡島さんとしては、今秋の開幕が迫るWEリーグの課題を何か感じていますか?

アメリカの女子プロリーグが失敗した一番の原因は資金問題にありました。リーグ立ち上げ当初は40億円の予算を集め、それを8年間で使う予定が1年で使ってしまいました。選手の年俸を上げすぎたことなど理由はさまざまありましたが、わかりやすくいえば1年目でやり過ぎてしまった。WEリーグもコロナ禍で思った以上にスポンサー集めに苦戦しており、アメリカとは違った理由で資金問題を抱えています。ただ、JFAからは、女子サッカーに対して5年間で10億円の予算の計上が発表されています。全額ではないのですが、大部分をWEリーグに充当してもらえる予定です。リーグ初年度に3億円、来年度以降も段階的に出してもらいます。

──JFAからのサポートが決まっているんですね。冠スポンサーはどうなるのでしょう?

いくつか内定している企業はありますが、冠スポンサーはまだ探している状況です。

──アプローチしている業界などはあるのでしょうか?

WEリーグとの親和性を考えても、コスメ業界は良いと思っていましたし、実際にアプローチをしていました。ただ、コロナの影響でコスメ業界も厳しい状況ですから、何社もアプローチをしましたがなかなかうまくいかないという状態です……。

──では、他にもアタックしている業界はありますか?

私が得意とする金融機関の大手には声をかけていますが、やはり収益が下がっているなかで、新しいプロジェクトにコミットするのは難しいというのが大多数の意見です。ビジネスの判断としては妥当だと思います。そういうこともあり、コロナでも影響が少ない業種を今は当たっているところです。コロナ禍が続く限り、この厳しい問題は続いていきそうですね。

Vol.1「私がWEリーグ初代チェアになるまで」

Vol.3「日本の女性をエンパワーメントする」

■プロフィール

岡島喜久子(おかじま・きくこ)
1958年5月5日、東京都生まれ。中学2年時に男子サッカー部に入部。その後、日本初の女子クラブであるFCジンナンに所属し、第2回AFC女子選手権に出場。79年、日本女子サッカー連盟設立時の初代理事に就任、83年には日本代表として広州女子国際大会に出場。早稲田大学卒業後の83年からケミカル銀行(現JPモルガン・チェース銀行)に入行し、89年の海外転勤を機に引退。91年からは拠点を米国へ移し外資系金融機関で働く。2020年7月、WEリーグ初代チェアに就任。

■クレジット

取材・構成:北健一郎
写真提供:WEリーグ

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