武道はおもしろい。だから生涯スポーツへのお手伝いを!
日本古来の伝統的文化であり、愛好者も多い「武道」。スポーツをする人=プレーヤーにとって必須となった大人気アプリ「TeamHub(チームハブ)」の対応競技に、2022年、剣道・柔道・相撲・空手道・なぎなたの各競技が加わった。ますます充実する「TeamHub」について、その思いを聞いた。
◆剣道経験者が武道のアプリ追加推進役
年を追うごとに海外でも注目され、年齢や国籍、人種を問わず世界中に広がっている「武道」。チーム管理をするうえで不可欠なサービスを網羅し、100種目以上のスコア入力に対応している「TeamHub」にも、「武道を追加してもらえないか」という声が相次いでいた。内部では「競技の熟知など実現するのは難しい」という声もあったが、要望がある以上は期待に応えたい。そこで手を挙げたのが、同アプリを運営する株式会社Link SportsのTさんという女性だった。
「学生時代に剣道部に所属していたんですね。数多くあるスポーツの中でも、日本で古くからある「武道」の魅力は十分に知っています。ならば、ぜひ武道をTeamHubにも追加できないかと。」
日本武道館によると、武道の定義とは「武士道の伝統に由来する日本で体系化された武技の修錬による心技一如の運動文化で、心技体を一体として鍛え、人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊重する態度を養う、人間形成の道であり、柔道、剣道、弓道、相撲、空手道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道の総称を言う」とある。礼節を重んじるかのごとくTさんも剣道時代の成績を自ら語ることはないが、段位は6段であり全国大会で上位に入ったこともある本格派だ。
「剣道は有段者160万人、愛好者を含めるとは200万人いるといわれています」
え、そんなに多いんですか?
「はい。会社に稟議を出す際も、同じことをいわれました(笑)」
びっくりして他の競技も調べてみると、なぎなたの会員が約45万人。柔道が約12万人。競技によってバラツキはあるが、全国各地で武道をたしなんでいる人は十分に多いことがわかる。
「そうなんですよ。武道を愛している人の役に立てばと思い、今回のTeamHub競技追加を頑張りました!」
◆重いのは実のところ竹刀
せっかくなので剣道を題材に、武道の魅力や豆知識を教えてもらうことになった。このインタビュー、「へー、そうなんだ」が満載なので必見ですぞ。
――剣道を始めたきっかけは。
Tさん 親が「礼儀を身につけさせたい」とのことでしたね。あと、地域でやっている人も多かったのがきっかけです。武道の場合、この二つは始めるきっかけになることが多いと思います。
――道具(防具や道着、はかま、竹刀など)が高そうですが。
Tさん 初期費用で今は5万円ぐらいですかね。他のスポーツと比べても、べらぼうに差があるわけではありません。確かに昔は10万円とか20万円したのですが、それは購入する場所がなかったのも理由だと思います。今はネットで買うことができますから。
――みなさん同じ格好だと、こだわりが出せそうにないのでは。
Tさん ですので、竹刀のツバにこだわる人が多いです、最初はプラスチックなのですが、これを皮ツバにするわけです。
――段位によって胴着やはかまなど、見た目に違いは?
Tさん ないので、見た目で判断するしかない。でも、だいたいわかるようになりますよ。
――道具が重そうで大変に見えますが。
Tさん 確かに面とか重いですが、実は竹刀ですね。基本は1試合5分ですが、個人戦で延長になると30分という場合もある。そうなると竹刀が重いんです。
――防具とかはだしとか、なかなか気候面で大変そうですね。
Tさん ハイ(笑)。夏は暑くて汗だくですし、冬は寒くて最初はふるえます。でも、やっていれば慣れますよ。
――掛け声に決まりは。
Tさん 特にないです。最初は「ヤー」で教えられるのですが、徐々にアレンジされていくことも。声を出すのは気合いを入れるためですね。
――面を決められたときは痛いですか。
Tさん 失礼ながら、うまくない人に決められると痛いんです。棒でたたきつける感じなので。上手な人になると、メリハリが効いた竹刀の扱い方なので痛くありません。すいません、この感覚は伝わりますかね(笑)。
――駆け引きのポイントは。
Tさん いくつかありますが、足もそうですね。ミリ単位で動く人に対し、その動きを見逃さないわけです。
◆ガッツポーズをすると1本取り消し!?
――剣道の魅力は。
Tさん やはり、礼儀作法が身につくことですかね。稽古も含めて礼に始まり礼で終わりますから。いかに相手を敬うか。これは人生にとっても大事なことです。
――どんな人が向いているのですか。
Tさん どの競技でも同じことがいえると思いますが、一生懸命練習して、周りの言葉を素直に聞くことができる人かと思います。加えて、個人競技として見られがちですが、チームワークもすごく重要です。団体戦の場合、流れを把握して5人が一つになって戦わなければなりません。あとは向いているというか、間合いがつかめるようになりますね。大人になって分かったのですが、相手を読むというのかな。これも自分の人生の中で大いに役立っています。とにかく仲間と協力しながら、間合いを読み切ったときの勝利はアドレナリンの出方が半端ないですよ(笑)。
――ルールの中で、あまり知られていないことはありますか。
Tさん 試合に勝ったあと、ガッツポーズをすると1本が取り消されます。相手をリスペクトする精神に欠けているからですね。この辺も武道らしいと思います。
――自分でスコアをつけたりする?
Tさん つけます。試合展開ではなく、何の技で決めたか、決められたかですね。剣道の場合決まり手が面、こて、胴、突きの4つしかないので。それが瞬時にできるTeamHubは、本当に便利ですよ!
いかがだっただろうか。特に、ガッツポーズで1本が取り消されるあたり、いかにも礼節を大事にする日本の伝統的文化を象徴する一つといえるだろう。
「私の場合、大学を卒業したあとも地域の道場で剣道を続けていますし、昔の仲間と稽古をするときもあります。つらいことがあったときも乗り切れるし、剣道の仲間に支えられていますね。剣道は一生できる競技ですし、一生の仲間がいる。道場は大人から子供まで通っているところが多いので、たとえ学校を卒業しても一生続けていくことができる。だから、近くの道場や競技者を探せるようにアプリも常にバージョンアップさせています」
武道の場合、せっかく始めても学校を卒業すると辞めていくケースが多いのが悩みのタネ。楽しいし礼儀が身につくのは間違いないだけに、草野球のように気軽にエンジョイできる生涯スポーツとしての繁栄を願っている。だからからこそ、見る機会も少なかった他の武道の制作は苦にならなかった。
「例えば、柔道。決まり手がいくつあるかご存じですか? 投げるだけでも68個、全部入れると100を超えるんですよ! こういったものももっと紹介していけば、柔道に興味を持つ人やファンが増えるかもしれないですね!」
武道を愛する女性が、丹精込めてアプリに追加した競技「武道」。その思いは、間違いなく全国の愛好家に届いていくだろう。興味がなかったみなさんも、機会があれば武道に注目してみてはいかがだろうか。
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