THINK SPORTS『映像の力』

サッカー界にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の制度が導入されて時間が経過した。ゴールに関わるプレーや退場となるファウルなどのプレーに関して、試合の映像をオンタイムで確認している審判団が、ピッチ上のレフェリーをアシスタントするシステムである。

映像の力は絶大だ。オフサイドか否か、ボールが手に当たったかどうかなど、ほとんどがはっきりとわかる。一方向からだけではなく、多方向から映像が確認できるのがいい。

時に細かいところまで見えすぎて、ほとんどの人がそうとは思っていないプレーでもファウルになったするケースもあるのだが、判定の正確性向上には間違いなく役立っているだろう。

また映像がサポートする、選手たち技術・戦術の進歩には目覚ましいものがある。

スマートフォンの時代になり、誰もが気軽に動画を撮り、編集ができる時代だ。たとえばプレーのフォームが大切なゴルフや陸上などでは、自分のプレーの映像を、自ら何回も細かくチェックしてトレーニングを進める時代になっている。

一方チームスポーツで言えば、自分たちの試合の映像から気になるシーンにチェックを入れ、そのチェックを集めたものを、あとから各選手それぞれがまとめて見ることができるといったアプリも多くなった。

たとえば指導陣が狙いをもった映像編集で、そうしたアプリのシステムを使ってチーム内に展開すれば、選手たちへの戦術の共有がしやすくなるというものだ。

人々が触れる動画の「量」が圧倒的に変わってきた。スポーツ界で、映像の力がますます重要なパートを占めてきている。

関連記事