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福岡ソフトバンクホークスが目指すのは、社会貢献活動のリーディングカンパニー

本企画はスポーツの力を活用して社会貢献活動を推進する日本財団のプロジェクト「HEROs」と共同で実施している特集企画です。

HEROsではアスリートや非営利団体に対して活動支援(資金提供)も行っています。詳細はHEROsのHPで!

プロ野球球団として、積極的にCSR活動にも取り組む福岡ソフトバンクホークス。なかでも、企業と協力して座席を用意し、子どもたちや養護・介護施設の人々を招待する『メセナシート活動』は約20年に渡って行われています。近年、スポーツチームの社会貢献活動が増えてきた中、その先駆者と呼んでも過言ではありません。

今回は、福岡ソフトバンクホークスが取り組む施策のルーツや、CSR活動に取り組む意義について広報室 広報企画課課長の池田優介氏に伺いました。

ホークスを通して社会に貢献しよう

ーまずはメセナシート活動を始めたきっかけを教えていただけますか?

池田:始まりはダイエーホークス時代です。1999年にリーグ初優勝、翌年には連覇を達成したことでホークスを応援する人が増えました。それと同時に、直接野球事業に関連のない企業様でも社会貢献に興味のあるクライアント様のためにホークスを通して社会貢献をしませんかとお声がけした結果、地元で頑張っているホークスを通じて取り組みを始めようと。

2002年から、メセナシートの前身となるプロジェクトが始まりました。地元の企業と一緒にスタートした施策ですが、20年が経った今では1試合あたり800席を用意できるほど大きなプロジェクトになりました。

もともと大々的に宣伝はしておらず、年間指定席の営業担当が各地の社会福祉協議会やスポーツ協会を通じて、少年野球チームをはじめとした各種スポーツ団体や養護施設、介護施設にをご紹介いただいていました。勿論今も大変ご協力をいただいておりますが、支援いただく企業様が増え、規模が拡大してからは、メセナシート担当チームをつくって、プロモーションを進めています。公式サイトで募集をかけるだけでなく、球場のホークスビジョンでも試合前やイニング間に宣伝しているので、多くの方に認知していただけているのではないかと思います。

ー企業やシートを利用した団体の反応はいかがでしたか?

池田:知名度の高いホークスを活用した施策は「社会貢献活動に興味はあるけど、何をしたらいいのか分からない」という団体にニーズがあります。

また、利用者側としてもメセナシートを利用することで、まとまった座席の確保や金銭面での課題を解決できます。利用していただいた団体からは、「みんなで応援して喜んだり悔しがったり、全員で同じ体験をできて嬉しかった」との声を多くいただきます。少年野球チームからは「プロ野球選手のプレーを間近で見ることができて、すごく勉強になっています」と感想をいただくことが多いです。

私たちには企業と利用者を繋ぐ役割があると考えています。例えば、メセナシートを利用していただいた団体の方には、「シートを用意してくれた企業への感謝の気持ちや、楽しんでいただいた様子をお伝えしませんか」と提案しています。小学生や中学生の子どもたちが作った可愛らしいお礼状が、後日企業の公式サイトに掲載されているのを拝見すると、意義を感じますね。日ごろから野球に接することが少ない方々にもぜひ、野球を見てもらいたい、触れてもらいたい、活動を通して日々の生活に夢や元気をお届けしたいという気持ちで運営していますので。


メセナシートを利用したジュニアチームからのメッセージ

社会への取り組みは選手を奮い立たせる

―メセナ活動は球団としての取り組みですが、選手個人が取り組む活動も多くありますよね。

池田:先駆者は和田毅選手ですね。和田選手は、2005年から認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)のスペシャルサポーターとして、投球数やチーム・自身の成績に応じて、ポリオワクチンを寄付するワクチン支援活動を行っています。実際に活動している様子を見ることで、他の選手は刺激を受けたと思います。活動の始め方はさまざまで、「何かできることはないか」と球団に相談してくる選手もいれば、個人の交友関係の中で独自に活動を始める選手もいます。

代表的な活動は、中村晃選手の『ピンクリボン運動』です。当初はホークスでコーチを務めていた鳥越裕介さん(現・千葉ロッテマリーンズ2軍監督)が、先頭にたって活動を行っていましたが、2018年より中村選手がその想いを引き継いで積極的に活動をしています。


中村晃選手のピンクリボン活動 寄付金贈呈の様子

毎年、母の日に近い土日に開催している『タカガール♡デー』では、乳がんの撲滅・検診による早期発見を啓発・推進する「ピンクリボン運動」に取り組んでいます。また、「タカガール♡デー」における「ピンクリボン活動」で集まったチャリティーオークションの売上や寄付金などを、認定NPO法人ハッピーマンマ様を通じて、乳がん早期発見啓発活動や乳がん患者さんへのサポートするために寄付させていただいています。

社会貢献活動は、選手のモチベーションになっているとも感じます。例えば、シーズンで打ったホームランの本数に応じた金額を『特定非営利活動法人SOS子どもの村JAPAN』へ寄付しているのが柳田悠岐選手。一昨年は怪我でシーズンを通して試合に出ることができなかったのですが、子どもたちと触れ合った時に「みんなの笑顔が見られるのがうれしい。来年はもっともっとホームランを打ってクリスマスプレゼントを持ってくる」と約束していたんです。その言葉の通り、翌年は大活躍を見せました。

柳田選手は『WFP国連世界食糧計画』への寄付も並行して行っているのですが、それでも毎年球団に「他に何かできないか」と相談しながら、精力的に社会貢献活動に取り組んでいる選手です。


柳田悠岐選手自ら、子供の村福岡へ訪問

―選手が入団した時には社会貢献活動について説明はしているのでしょうか?

池田:取材の対応やSNSの使い方を指導する際に、「プロは常に注目されているんだよ」と伝えています。自分自身の影響力を理解することが、社会に対する意識の向上に繋がります。

ホークスは2軍選手の寮を福岡県筑後市に構えているので、若手選手が筑後で野球教室を開いたり、街中に貼られるポスターに登場したり、地域に根付いた活動も行なっています。

―球団として活動を継続することで、選手をはじめ現場の理解も高まっていきますよね。

池田:そうですね。あとは工藤公康監督(取材時。※2021年シーズンいっぱいで退任)の存在も大きかったと思います。東日本大震災や熊本地震の際は、球団側が把握しきれないほど多くの野球教室を現地で開催するなど、工藤監督は社会貢献活動に対する熱量があるんです。

現在も福岡市内の病院訪問を積極的に行なっています。多忙なスケジュールの合間を縫って、時間ギリギリまで全ての病室の子どもさん達を慰問し、声を掛けたりプレゼントを渡したり。選手はその姿を見ていますから、自分もやらなきゃと思うはずです。

球団としても取り組みを世間に伝えるにあたっては、選手の活動が最も効果的だと考えています。福岡だけでなく、九州そして日本全国に活動の輪が広がることで、ホークスの存在も合わせて伝えることができますから、現場の協力は必要不可欠です。

工藤公康監督の九州大学病院訪問時の様子

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