戸取大樹が、インラインスケートの普及に務める理由。

スケートの世界は仲間意識が強い

-戸取さんの今後の目標を教えてください。

世界選手権で勝つことが一番の目標です。可能性は高くないかもしれませんが、出るからには常にそこを目指してやっていきます。あとは年間を通してコンスタントにレースに出場して欧州のマラソンで勝ちたいです。できれば生活の拠点も海外に移したいと思っています。

-ここまでは競技面についてお伺いしましたが、戸取さんご自身についてもお聞きしていきます。オフの日は何をしていますか。

スケートの外では基本的にスーパーインドアな性格なので、部屋に閉じこもります(笑)。家では手当り次第に本を読んでいます。あとは絵を描いていますね。

-絵を描くというのはスポーツ選手としては意外な趣味ですね!

広告代理店では営業職でしたがデザイナー志望でした。デザインというのは伝えたいことを、すぐに相手に伝わるようにする「問題解決」だと思っています。絵をつかって問題を考えるという作業が楽しいのです。僕自身は法学部出身なので、専門的に勉強したわけではないですが、兄が美大出身ということもあって、絵を描く環境は身近にありました。今の職場のロゴも僕の制作です。

-もはや落書きではないですね(笑)もしスケートをしていなかったら何をしていましたか。

インドアな性格なので、デザインの道に進んでいたかもしれません。僕自身は飛び抜けて運動の才能があるわけではないと思っています。僕より速く滑る人はたくさんいましたが、みんな止めていってしまいました。気がついたら上にいたという感じです(笑)

戸取大樹

-戸取さんがご自身で思う、自分の魅力はどこにあると思いますか。

何にもこだわらないところでしょうか。大抵一人で行動しているので、どこの人でもない代わりにどこへでも入っていけます。世界のどこのレースでも参加して、写真に写っているので「お前はどこにでもいるな」と言われます。自分の国の地域から出てレースをする選手は多くはなく、珍しいと思います。

-フットワークが軽く、どこにでも馴染める力を持っているということですね。

スケートの世界では、スケーターであることで既に仲間だという意識が他の競技よりも強いです。世界中にそういう友だちがいるので、海外に行った時にはお世話になる代わりに、逆に他の国のスケーターが日本に来る時には面倒を見ます。持ちつ持たれつの関係があるというのはいいところだと思います。

あと、僕はよくフォームが変わるんです。あまり固執せず、いいと思ったら素直に取り入れるようにしています。元に戻すこともありますが、成長できているという実感があるうちは競技として第一線でやり続けていきます。それがマイナスになっていく一方だと感じた時がもしかしたら選手としての潮時なのかもしれませんね。でもまだまだ選手としてやることがたくさんあります!

-最後の読者の方にメッセージをお願いします。

皆さんにはスケートを含めてスポーツ全般何でもいいので、あまり気構えずにやってみてほしいなと思っています。もちろんその中でローラースケートをやってみて、僕のような選手を知ってもらえたら嬉しいです。やめるのはいつでもできるので、少しでも興味を持ったらまずやってみてください!

関連記事