田中麻衣が、現役CAとビーチバレーを両立できている理由。

ビーチバレーもCAも体力勝負

——田中さんはお仕事もCAをされているということで、そちらもかなりハードだと思います。

海外へのフライトが入れば時差もあって、ほぼ昼夜も関係なくなりますし、気圧の変化とも付き合いながら仕事をしているので、中にはきつい、辛いと感じている人もいると思います。そうなると反動で休みを無駄に過ごしてしまう人も多いんですよね。でもそこでプライベートの時間を有効に使って、充実させるためにも私のことを知ってもらいたいです。それで少しでも私も頑張って何かやってみよう!という気持ちになってほしいです。

——実際に同僚の方のリアクションはいかがですか。

まだあまり周囲にも私がビーチバレーをやっていることは知られていません。客室乗務員だけで約7000人もいますからね。そのうちの100人ほどが知っている程度です。初めて会う人や普段あまり関わりがない人には肌が黒い人だな、くらいの印象しか持たれていないかもしれません(笑)でもこれからどんどん浸透させていきたいです。

本当は同僚に試合の応援にも来てほしいのですが、休みが不定休のため、残念ながらそれはまだ実現していないです。

——休日が不定期な中で競技と仕事を両立されているところがまた、田中さんの素晴らしいところだと思います。

そこは会社の大きな理解の下、やらせてもらっています。それがないと続けるのは難しかったです。

田中麻衣

——仕事が競技に活かされていると感じる場面はありますか。

いつも思うのが、ビーチバレーもタフなスポーツですけど、CAの仕事も体力勝負なんです。私もそこで培われた体力があるから、こうして競技を続けられているのかもしれません。

——逆に競技に仕事が活かされているところはありますか。

いろいろな人と関わる仕事なので、それがビーチバレーという競技をする上でも活かされているところはあると思います。人とうまく接することで輪が生まれていったり、そこから練習の環境が整っていったりすることもあります。

あとは好きなことをのめり込んでやっているからか、何か体から溢れ出るプラスのオーラがあるみたいです。競技を始めてから同僚や先輩から元気をもらえる、一緒に働いていて気持ちいいと言われたりします。そこに私がいるだけで周りの人にいい影響を与えられているというのは嬉しいことです。

でも私自身は特に何か意識して変えた部分はないんです。確かに見た目は焼けてだいぶいい色に変わったんですけどね(笑)

——仕事上、日焼けにはやはり気を遣われているのでしょうか。

接客業なので、過度な日焼けはお客様に不快な思いをさせる可能性があるということでよくないので、最低限予防するようにはしています。特に顔は酷い焼け方をしないように気を付けています。でも強い日差しの中でプレーすることもあるので、ある程度は仕方ないですね。

——他に食事面などで気を遣っていることはありますか?

特に気を遣って食べているものはありませんが、量を食べるようにはしています。ビーチバレー選手の中でも私は細い方なので、体力を付けるためにもっと太るように言われています。本来、フルーツだけで食事を終わらせてもいいくらい食べなくても大丈夫な体質なので、意識的に食べないと痩せていってしまうんです。特に夏場は朝気持ち悪くて、食事を摂りたくないことも多かったのですが、それでも無理に食べるようにしていました。

——ちなみに好きな食べ物と嫌いな食べ物を教えてください。

梅干しが大好物です!塩分もありますし、試合中に食べるのもいいんですよね。遠征先にも必ず持っていきます。逆にレバーなどの内臓系や香草などが好きではないです。

——田中さんが大切にしている言葉や座右の銘はありますか。

先ほども言ったように無理をしないというスタンス、あとは昔から「一期一会」という言葉はすごく好きです。

——今後の目標を教えてください。

サテライトで優勝することです。そして仕事と競技を両立することで、今後の自分の活躍の道を広げていきたいです。

競技を続ける上で五輪を目標に掲げる選手も多いと思いますが、仮に私がそれを目指すのであれば仕事は辞めた方がいいと思っています。私は今のところ五輪を目指す予定はありません。私には競技だけを続けていってもいい未来を描くことができなかったんです。特に日本は厳しい世界ですから、五輪で活躍したとしても生活が保障されるわけではないという現状を考えると仕事をして、生計を立てていくことも大切だと判断しました。その上で夢があって、私には欠かせないスポーツを続けていこうと考えました。もしかしたらこのままビーチバレーを続けていって、五輪への光が見えたらまた考えも変わるかもしれませんが、今のところその可能性はないです。

田中麻衣

——最後に読者の方へメッセージをお願いします。

いろいろなスタンスでスポーツを続けている人がいますが、その中でも私のようにCAをしながら競技を続けているのは異例のことだと思います。ぜひそこに興味を持ってもらって、会場に足を運んで頂き、あの人がCAをしながらビーチバレーをしている人か!と注目してもらえれば嬉しいです。そして、それが少しでもビーチバレーの普及に役立つきっかけになることを願っています。

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