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現役選手と指導者も注目。“データ”でアスリートを変える4つの施策[PR]

数多くのトップアスリートが使う“デジタルブラジャー”

斎藤兼氏

Catapult社ビジネス開発マネージャー 斎藤兼氏

次に登壇したのは、GPSデバイスを入れるポケットが付いたブラジャー型装具(通称 デジタルブラジャー)を展開するCatapult社のビジネス開発マネージャー・斎藤兼氏だ。

このブラジャー型装具を装着すると、走行距離や加減速度、スプリントの回数(時速24km以上のダッシュを1秒以上継続した回数)などを計測できる。アスリートのパフォーマンスをデータ化することによって、Catapultは「怪我のリスクの管理」「パフォーマンスの最適化」「怪我からのプレーへの復帰」というスポーツ界の3つの課題を解決しようとしている。

実際に普段のトレーニングで導入しているチームは数多く、川村氏が所属するNECグリーンロケッツのその1つだ。川村氏は「これがなくてはトレーニングができない」と太鼓判を押したが、一方で「デバイスを何も付けていない感覚になるのが理想ではある。スラムを組んだ時に痛かったり、壊れたりしてしまったことも何度かあった」と、デバイスの大きさや耐久性などの課題を挙げた。

以前からパフォーマンスをデータ化するためのGPSデバイスは存在しており、従来に比べれば徐々にサイズは小さくなっている。それでも、アスリートにとってはまだまだ大きいと言わざるを得ないようだ。この課題は、今後のテクノロジーの先進によって解決されることを期待したい。

陸上競技におけるデータの蓄積でも活用できるだろう。土江氏は「400メートルや800メートルなど、高強度で持久力が必要な種目のトレーニング管理で使えるのではないか」と、導入に前向きな姿勢を見せている。

足の裏からリアルタイムにデータを取得

WIREDGATE社

最後に登壇したのは、複数のセンサーやGPSを搭載した靴のソール「スマートインソール」の研究開発を行うWIREDGATE社だ。

このスマートインソールを装着すると、足圧を中心とした下半身の動きをリアルタイムで計測できる。その場でのコーチングはもちろん、クラウドに蓄積されたデータを分析して、選手にフィードバックする使い道もある。陸上競技だけでなく、様々な競技における誤った走り方の是正に活用できそうだ。

課題としては、アスリートにとってインソールの導入がセンシティブな問題になりかねないことだ。スマートインソールはスペックによって重さや厚さが異り、通常のインソールと同じ程度のものもあるというが、それでも装着感が気になるアスリートは出てしまいそうだ。

川村氏と土江氏もその点を懸念視しており、土江氏は「陸上競技のシューズは極限まで軽く設計されているので、そもそもインソールを入れられない場合もある。スマートインソールよりも、シューズを履くだけで計測ができる“スマートシューズ”のほうが導入しやすい」と意見を述べた。

ただ、トップアスリートではなく市民ランナーであれば、価格を除けばスマートインソールの導入に現実味はある。WIREDGATEでは、スマートインソールの技術を活かした「オンラインコーチング」も提案しており、市民ランナーの手助けとして大いに活用できるかもしれない。

「データを取れるようになったことが一つの進歩」

今回のピッチでは、各企業が独自のテクノロジーを生かした提案を行なったが、それぞれのプロダクトを併用することで、より良い結果が生まれる可能性もある。また、プロダクトを活用する上で重要なのが“データの活用法”である。

データを取得したところで、活用法を知らなければパフォーマンスの向上には繋がらない。その活用法は競技によっても異なるため、データを扱う分析スタッフの裁量も求められてくる。

とはいえ「まずはデータを取れるようになったということが一つの進歩」だと土江氏は語る。普段のトレーニングでCatapultの技術を活用している川村氏も「こういったテクノロジーに僕たちは助けられているので、諦めずに一緒にやっていけるよう僕も力になれれば」と、さらなるテクノロジーの活用に意欲を示している。

川村慎氏

川村慎氏

土江寛裕氏

土江寛裕氏

企業とアスリートの谷間を埋めていくには、このようなディスカッションの量と質をさらに向上させる必要がありそうだ。

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