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日本は“タシュケントの悲劇”を乗り越えたのか?【日本代表マッチレポートvsベトナム】

UPDATE 2021/08/28

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FIFA フットサルワールドカップに向けた最終調整を行う日本代表は28日(日本時間29日)、スペイン・ハエンで開催される4か国対抗親善大会の初戦に臨み、ベトナム代表に1-0で勝利。今大会で日本は、29日にグアテマラ代表、31日にスペイン代表と対戦し、その後、W杯開催地のリトアニアへと向かう。

※8月29日(日)夕方、グアテマラ戦の中止が発表された(詳しくはこちら

日本をどん底に突き落としたブルーノ監督

「因縁」というには大げさだが、なんの感情も生まない試合、のはずはなかった。

ベトナムは、2016年、日本のW杯出場の道をさえぎった“元凶”だからだ。2016年2月17日、日本代表はAFCフットサル選手権準々決勝でベトナムと対戦した。アジアに与えられたW杯出場枠は「5」。つまり、勝利すればW杯4大会連続出場が決まるはずだった試合。日本にとって、そこには信じられない悪夢が待っていた。

日本は前半を2-1でリード。後半、追加点を挙げて3-1とし、勝利を手繰り寄せたように思われた。しかし35分、カウンターから1点を返されると、残り1分19秒で同点に追いつかれてしまった。

迎えた延長前半、左から中に切り込んだ森岡薫が、「ザ・薫ゴール」をゴールにたたき込んで勝ち越したものの、延長後半、チャン・タイ・フーイに左サイドから決められ、再び試合を振り出しに戻されてしまった(ちなみにこのタイ・フーイ選手は、後の2019シーズンにY.S.C.C.横浜でプレーした選手でもある)。

そしてPK戦。フットサルにVARが導入されていたなら、結果は変わっていたかもしれない。森岡が放ったシュートは、クロスバーをたたいて落下した際にゴールラインを割ったように見えたが、判定はノーゴール。日本は、逸見が決め、GK藤原潤が1本をセーブしたが、3人目の仁部屋和弘が止められ、PKスコア1-2で敗れた。

あれから5年。

お互いに、チームは変わった。日本がアジア選手権の開催地にちなんだ“タシュケントの悲劇”に沈む一方で、ベトナムはW杯に出場し、グループステージを3位で通過。同国史上初の決勝ラウンド進出の快挙を達成した。その1カ月後、日本にやってきた新たな指揮官が、ブルーノ・ガルシアだった。ベトナムを率いた監督──。

負け惜しみではなく、力関係で言えばもともと、日本が優位だった。ブルーノ監督も実際、当時は徹底的に分析し、日本を攻略するためにウィークポイントを突くことに時間を割いたという。そうした事実と、ブルーノ監督の日本での仕事ぶりを見てきた上で、5年前の評価も、今の評価も、変わることはない。

ベトナムが日本を下した最大の要因は「監督が優秀だった」ということだ。だから日本が“日本をよく知る”ブルーノにオファーを出し、新たに舵を切った選択は間違いではなかったはずだ(断言はW杯後にしておく)。

逆にベトナムは、2017年から2年間、ミゲル・ロドリゴ前日本代表監督が指揮を執った。両代表チームの監督が入れ替わる形で強化を続けたのだ。日本は2018年のアジア選手権で準優勝したことで、“準々決勝のトラウマ”を乗り越えた。だが“ベトナムのトラウマ”は払拭していない。今回がW杯前の絶好の機会だったのだ。

「ベトナム代表に勝利」の意味

2016年のアジア選手権を戦い、今回も選ばれているメンバーは、関口優志、吉川智貴、逸見勝利ラファエル、室田祐希、星翔太、西谷良介の6人。対するベトナムは、あの試合で2得点、しかも後半の同点弾を奪ったチャン・ヴァン・ヴーやファム・ドゥック・ホアなど4人。両チームとも新たなチームでぶつかり合った。

映像をタイムリーに見られない状況もあり、試合の詳細は、日本サッカー協会(JFA)のレポートをご覧いただきたい。日本は終盤まで相手を追い込み、そのプレッシャーによって獲得した第2PKのチャンスを清水和也が決めてタイムアップ(その前に、オリベイラ・アルトゥールの第2PK──ゴールにさらに近い位置からの壁なしFK──を止められたことも衝撃だった)。日本は、ロースコアゲームを制してベトナムを打ち破った。

ベトナムメディアが中継した映像などを見返す限り、ベトナムの強化が進んでいることは間違いない。日本のほうが多くのチャンスをつくり、相手GKのビッグセーブに阻まれることも多かったが、それでも肉薄した展開となり、最後までどちらが勝つかわからないゲームを演じている。近年、アジア全体の底上げは顕著だ。

「待望の、粘って戦った末に勝ち取ることができた重要な勝利でした」

JFAによると、ブルーノ監督は試合後、そう語っている。ブルーノ監督の性格を考えると、上述したような、“ベトナム代表への勝利”は、ほとんど意識していないだろう。もしかしたら、2016年の敗退を経験した選手さえ意識していなかったかもしれない。それでも、日本代表を見守るフットサルファンにとって「ベトナム代表に勝利」のニュースは、少なからず心を動かされるはずだ。

ブルーノ監督は、W杯本番までに7つの強化試合をセッティングした。この「7」という数字に意味がある。グループステージ3試合、ラウンド16、準々決勝、準決勝、決勝まで戦うと7試合。つまり、W杯でファイナルまで勝ち残ることを想定したマッチメイクだ。そう考えると、このベトナム戦の「勝利」はやはり大きい。

海外遠征4試合目、グループステージを突破し、迎えたラウンド16。ブルーノ監督はもしかしたら、ロッカールームで「負けたらW杯が終わる試合」と伝えたかもしれない。あくまでW杯に向けたテストマッチだが、結果を軽視しない。ベトナムを乗り越えた日本は29日に“準々決勝”グアテマラ戦、31日に“準決勝”スペイン戦に挑む──。

※8月29日(日)夕方、グアテマラ戦の中止が発表された(詳しくはこちら

■今後の日程・代表メンバーなどはこちら
【GO TO LITHUANIA 2020+1】フットサル日本代表「ブルーノ・ジャパン」の挑戦

■ベトナム戦のハイライト映像(後半のみ)※引用:Chất Ferrao – Thế giới Futsal

■後半フル映像
試合結果は以下のとおり

4カ国対抗親善大会

◆日時:
2020年8月28日(土)18:00キックオフ(現地時間)

◆会場:
Palacio de deportes Olivo Arena(スペイン)

◆結果:
フットサル日本代表 1(0-0)0 ベトナム代表

【得点経過】
35分 1-0 清水和也(第2PK)

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