「エントリオ」がすごすぎる……!最新型コンパクトアリーナのポテンシャルとは?
日本有数のスポーツアリーナが昨年9月、愛知県で完成した。豊田合成記念体育館「エントリオ」だ。
観客席、壁、天井が黒で統一されたスタイリッシュな空間に、最新鋭の音響と照明の設備を備えた施設は、豊田合成が運営するハンドボール、バレーボール、バスケットボールという3つのスポーツチームの活動拠点となる。
10月9日、そのエントリオで日本ハンドボールリーグの豊田合成ブルーファルコンvsジークスター東京が開催された。新たな会場を視察するためにハンドボールリーグ理事が足を運んだ。
彼らは、実際にエントリオを見て、どんな可能性を感じたのか。実際に、ハンドボール理事会で行われている会議のような形式で、エントリオ、ハンドボールについてを語ってもらった。
【参加者】
葦原一正(一般社団法人日本ハンドボールリーグ代表理事)
松井隆(一般社団法人日本ハンドボールリーグ事務局長)
半田信吾(豊田合成ブルーファルコン GM)
梶原晃(三重バイオレットアイリス GM)
原山麻子(株式会社乃村工藝社 執行役員)
米田惠美(米田公認会計士事務所 代表)
松本泰介(早稲田大学スポーツ科学学術院 准教授 弁護士)
取材・文=北健一郎、舞野隼大
写真=JHL提供
■目次
・コンパクトアリーナのお手本
・近代的な可動式トイレを採用
・理事が考える“ハンドボールの強み”とは
・JHL理事の強みは多面的な会話
コンパクトアリーナのお手本
葦原 実際に豊田合成記念体育館エントリオに足を運んで、みなさんの感想はいかがですか?
梶原 「素晴らしい」の一言しかないですね。立地も駅から降りてすぐですし、いい意味で狭い。外から見ると「割とコンパクトだな」と思いましたが、中はギュッと濃縮されている感じがして、「ヨーロッパにもこういう環境があるな」と思って試合を見ていました。
原山 私もコンパクトアリーナのお手本だなと思って拝見していました。ちょうどいいサイズ感で、機能も十分備わっていると思いました。周辺のレストランや、ショップがもっと増えてくるとより収益が生まれる可能性ありますね。。
松本 おっしゃる通りですね。いろいろなアリーナに僕も行きましたが、エントリオはさまざまな面でビジネスにしやすいなと思います。名古屋駅から3駅でアクセスできますし、全くストレスがないですね。
葦原 他のスポーツでもスタジアムやアリーナが駅から遠いことは珍しくありません。この立地はすごいなと思います
松本 電車から降りて、あのアリーナが見えると気持ちが上がるというか、ワクワクします。
米田 不動産物件として見ても、良いアリーナだなと。ハンドボール、バスケットボール、バレーボールでも使っていらっしゃって、効率的かつ効果的だなと。
葦原 豊田合成のGMを務める半田さん。理事のみなさんからは絶賛する声ばかりですが。
半田 エントリオは、建設に関わったメンバーの皆様が全国のアリーナを視察し、良いところを取り入れています。
葦原 特にどこのアリーナを参考にしましたか?
半田 何十件を視察したと聞いています。
米田 ゼビオアリーナの雰囲気に近いものがありますよね。
松井 名古屋だと、武田テバオーシャンアリーナがありますよね。
半田 そのあたりも研究したようです。
近代的な可動式トイレを採用
葦原 逆に、エントリオに対して1人のユーザーとして気になった点はありますか?
米田 女性として気になったのは、お手洗いの数ですね。私が使ったところは5個と少なかった。ハーフタイムの終わりくらいに行きましたが、集客人数を絞っている中でもまだまだ並んでいたのは、今後に向けても気になる点ですね。
半田 トイレの数は可動式なので、男子トイレと女子トイレを変えることもできます。バレーボールになると女性客が多くなるので、女子トイレを多くしています。
葦原 フレキシビリティがあることはすごいことですね。私も最初に見た時は「変えられるんだ」とビックリしました。エントリオはトイレに関してしっかりと取り組まれていますけど、どういうふうに捉えていくかというのは、今後の理事会の一つのテーマになるかもしれませんね。
原山 デジタルツールを使って「ここが空いてる」とアナウンスするところもありますよね。
葦原 一般的にはアリーナの収容人数のキャパの3%は必要等と、いつも個数論になってしまいますよね。個数も大事ですけど、今仰ったように運営や運用でカバーできることはいっぱいあるかもしれないですよね。
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