• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • 「右OBだけは避ける」と考えると右に飛ぶのは脳のメカニズムが原因だった【“こころ”で芯喰い】

「右OBだけは避ける」と考えると右に飛ぶのは脳のメカニズムが原因だった【“こころ”で芯喰い】

「池だけは避けよう」と思うほど、脳からの「池に入れろ」という指令が強くなる。これを避けるためにも目標を強く意識し、そこに打つことだけを考える。肯定的な言葉でこれからやりたいことを言語化することが大事だ  構成/真鍋雅彦 

「池があると必ず入れてしまう」、「フェアウェイの広さに関係なく、OBゾーンがあると打ち込んでしまう」。ゴルファーの中にはそういう人も多いのではないでしょうか。

こういう場合、ほとんどの人は、「自分はプレッシャーに弱いからだ」と考えがちですが、実はメンタルの強さは関係ありません。絶対に避けたいということをやってしまうのは、脳のメカニズムに原因があるのです。

そのメカニズムとは、イメージ力や想像力を司る右脳が、否定形を理解できないことです。

例えば、目の前に池があったとき、「池だけには入れないようにしよう」、「池を無視してピンだけを狙おう」と思っても、“池”という言葉を頭に思い浮かべた瞬間、脳は“池”だけに反応し、「池に入れろ」という指令を出してしまうのです。これは、OBでもバンカーでも同じです。ハザードを意識すれば、頭の中で否定しても、そこに向かうプログラムを勝手に作成してしまうのです。

この問題を解決するためには、避けたいものを無視して、これからやりたいことを頭の中で言語化することが必要です。

例えば、池越えのパー3ならば、池という言葉を使わないで、「ピンをデッドに狙おう」、「グリーンセンターに打とう」と考える。そしてショットのときは池を見ないで、目の前のボールとピンだけを注視して打つ。これを徹底すれば、池はもちろんOBゾーンもバンカーも避けることができるはずです。

この否定形を使わないという方法は、パッティングでも有効です。パッティングでも、「もしショートしたらどうしよう」と考えた時点でショートする確率は高くなります。絶対にショートさせたくないと思うのなら、「カップにねじ込むぞ」か「オーバーさせるぞ」と考えなければいけないのです。

児玉光雄
こだま・みつお●追手門学院大学特別顧問。過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員

※『アルバトロス・ビュー』843号より抜粋

関連記事