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強風もなんのその! 「自分に期待しない」永井花奈が狙う6年ぶりV

永井花奈が難しい午後組で伸ばして単独首位に浮上した(撮影:佐々木啓)

<資生堂 レディスオープン 2日目◇30日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6605ヤード・パー72>

最大瞬間風速15.6メートル(午後2時54分、横浜)の強風と強い雨。厳しいコンディションの午後組でプレーした永井花奈が「68」の好スコアで回り、トータル7アンダーで単独首位に立った。

5位タイと上位からのスタートだったが、序盤で2つのボギーが先行。「予選の方が危ないなという感覚でした。落ちたくないんで、バーディが取りたいと思っていたら、いつの間にか良くなってきて…」。その後は6バーディを量産して、上位陣をごぼう抜きにした。

「なんで良かったか分からないんですけど、なんか良かったです」。ホールアウトした永井は自らの好スコアにこんな感想を漏らした。ここ数年は調子の割にスコアが出ない。ちょっと調子が悪ければ、スコアがまとめられないという感覚を持っていた。それがこの日は特別調子が良かったわけでもなく、厳しいコンディションにもかかわらず、スコアを伸ばせた。

ひと言で表すならば、コースマネジメントということになるのだろう。「ボギーが2つ来たときはやっぱりそのあたりが下手だなと思っていたんですけど、そこから回り方を意識するようになって、そんなに難しいところに行かずに、スコアをまとめられるゴルフができたのが良かったと思います」と振り返った。

6月16日で26歳になった。今季のシード選手の平均年齢は26.6歳(昨年末時点)。「追い出される方になっていくんだなと思っています。10年とか長く第一線でプレーしている選手はスイングがきれいとかよりも、自分が持っているものでゴルフを組み立てていくのがうまい。そうなっていかないと残れないんだと思います」。漠然としたものではあるが、今後も長くツアーで戦っていくためのヒントが詰まったラウンドだった。

技術面ではパッティングの感覚を取り戻したのが大きい。「今週はずっと芯に当たっていなかったんですけど、ソールに鉛を貼って重くして、その重さを生かして打つようにしたら、ラインに乗って芯にも当たるようになってきました」。試合で使うのはブレード型だが、練習では大型マレットでもボールを転がす。自然にテークバックが低く引けるようになり、ストロークが安定するのだという。

首位で決勝ラウンドを迎えるのは今回が初めて。「週の初めは1Wとパッティングの調子が悪くて、自分に期待していませんでした。この順位からスタートするので、期待してしまいそうだけど、期待していなかったのが良かったと思うので、そこは変えずに行きたいです」。2017年以来となるツアー2勝目へ。3日目も無欲で臨む。(文・田中宏治)

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