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日本アマ覇者・中野麟太郎が3アンダーの好発進! 現役早大生が送る「ギリギリの文武両道」

今年の日本アマチャンピオン、19歳の中野麟太朗が好発進(撮影:ALBA)

<フジサンケイクラシック 初日◇31日◇富士桜カントリー倶楽部(山梨県)◇7424ヤード・パー70>
 
今年の「日本アマチュアゴルフ選手権」を制している19歳の中野麟太郎(早稲田大2年)が、3バーディ・1ボギーの「67」で回り、3アンダーの好発進を決めた。「ティショットのドライバーがフェアウェイに行ってくれた。それでスコアを上手く組み立てることができました」と振り返った。

中野が立てた富士桜カントリー倶楽部の攻略プランは「フェアウェイキープを大事にして、そこからしっかり乗せてパーを獲る。来た(バーディ)チャンスはしっかり獲る」といたってシンプルなもの。「このコースではこれぐらいしかできないと思っていた」というほど、富士桜CCは一筋縄ではいかない。
 
「いい感じにプレーができました。ラフに行っても頑張って打って、なんとかパーにする気持ちで。ピンチのときもショットやパターでリカバリーすることができました。プラン通りのゴルフができたと思います」と内容には満足。少し間を空けて、「本当に上手くいっちゃうんだなって」と笑う。
 
ショートトップから強く叩くスイングは、世界ランキング1位にもなったジョン・ラーム(スペイン)に似ている。「はじめは頑張ってやっていたんです」と手首をタテに曲げるコック動作を無理やりやっていた。そのとき、師匠の坂詰和久氏から『君にはできないよ』とひとこと。「コックできない人もいるんだとわかって。コックを使わなくてもできるスイングをしてけばいい」。自分の体の特徴を生かすスイングに取り組み、結果としてラーム似のスイングが出来上がった。
 
「世界一になれる人のスイングに似ているということは、自分でも勝てるっていう自信につながりました。いつか、その舞台で自分も戦いたいなって思っています」。スイングの形だけでなく、ドライバーの平均キャリーは300ヤードと世界基準の飛距離を持つ。
 
これまでレギュラーツアーでは、昨年から今年にかけて4試合出場するも「全部予選落ち」。それでも、「こういうミスが自分はよくあるな」という悪い部分と、「自分ができる、プロにも勝てるところ」が何かを探し、「それが今回の富士桜で証明できたのかなと思います」としっかり成長につなげている。
 
現役大学生の中野は試合が多い前期に、ある授業をあと1コマ休むと、単位が取れなくなる窮地に。「全国のチーム戦だったんですが、監督に相談して出場をやめました。両方キツキツでギリギリの感じで文武両道やっています」と、大学での勉強もおろそかにしていない。
 
「トレーナーコースを専攻しているのですが、結構シビア。難しいです。学校に行かないとき、思いっきり他の生徒に離されますよ。試合に出るときは公欠届がなく、休み扱いになってしまうんです。なので、欠席したときのマイナス分を埋めるために必死です。今季はかなり頑張りました(笑)」
 
徹夜で勉強した直近のテストの結果は、今大会を終えた次週9月5日(火)に出るという。まずは残り3日間に集中して、目標としている「アマチュアでツアー優勝」を叶えたいところ。しかし、試合が終わっても現役大学生は緊張感ある戦いが続く…。(文・高木彩音)

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