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若手の台頭が目立つなかベテランも意地 生き残りをかけた“リランキング”まで残り3試合

リランキング29位の若林舞衣子。このホステス大会で確定ランプを灯したい。(撮影:上山敬太)

<リシャール・ミル ヨネックスレディス in 朝霧 初日◇2日◇朝霧ジャンボリーゴルフクラブ(静岡県)◇6687ヤード・パー72>

開幕戦から今大会で14試合目。2週後の「ニチレイレディス」終了時点で行われる第1回リランキングまで残り3試合となった。中盤戦以降の出場権を確保するために、シード権を持たない選手にとっては気の抜けない戦いが続く。

リランキングとは、シード選手と当該年度優勝者以外の選手を、メルセデス・ランキング(以下、MR)上位順に並び替えて、出場優先順位を見直すモノ。今年は6月の「ニチレイレディス」終了時に1回目、9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」終了時に2回目を実施する。第1回リランキング順位35位前後が中盤戦のほぼ全試合に出場できるとみられている。

ここまでのリランキング順位を見ると、若手の台頭が目立つ。昨季はシード入りこそ逃したものの、MR51位で前半戦出場権を獲得した20歳の桑木志帆が1位。「ブリヂストンレディス」で3位タイ、「リゾート トラストレディス」8位タイなど334.7ポイント(pt)稼いでいる。

昨季のステップ・アップ・ツアー女王で19歳の櫻井心那が291.38ptで2位、昨季MR54位で22歳のリ・ハナ(韓国)が287.58ptで3位、QT22位で20歳の竹田麗央が286.16ptで4位、QT33位の23歳ルーキー・平岡瑠依は245.93ptで5位につけるなど、上位陣は20代前半の選手が多い。

そのほか、QT82位だった比嘉真美子は「アクサレディス」で2位に入るなど、リランキング10位とジャンプアップ。またQT29位の蛭田みな美は8位、QT37位のイ・ナリ(韓国)は15位と順位を上げている。

一方、QTランキング1位の若林舞衣子は29位、QT2位の木下彩は40位、QT5位の石川明日香は52位と、苦戦しているQT上位者もおり、残り3試合は正念場である。

今週ホステスプロでもある35歳のベテラン、若林はここまで12試合に出場して予選通過は7試合。「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ」の23位タイが最高順位だ。「予選通過だけだと上に上がれない方式。トップ10とか上位に入ることが大切ですよね」と話す。

「アクサレディス」は5位から出た最終日に「80」で52位タイ、「ヤマハレディス」でも最終日に「80」で55位タイと順位を落としている。「最終日に崩す試合があってもったいなかったと思いますが、全体的には悪くないのでかみあえばいいところにいけると思っています。昨年ぐらいから全体のレベルが底上げされている感覚があって、そこに惑わされず焦らずやっていきたい」。若手の台頭が目立つなか、ベテランらしいゴルフで対抗する。ホステス大会で浮上のきっかけをつかみたい。

若林がいうようにトップ10に入れば一発逆転が狙えるため、現在圏外の選手にもチャンスは残されている。今大会主催者推薦で出場するQT165位の30歳・工藤遥加もその一人。今季は持ち球をフェードボールに変え、自分を見つめ直してトレーニングなど生活環境も見直した。その甲斐もあり、2週前のステップ・アップ・ツアー「ツインフィールズレディース」で、プロ13年目にして初優勝を遂げるなど、現在、下部の賞金ランキング1位と好調を維持している。

今季2試合に出場して「フジサンケイクラシック」で18位タイに入り、リランキング順位は49位。「(下部の優勝で)結果につながって良かったんですけど、まったく満足していません。今も課題はありますし、さらにレベルアップをしてもっと上にいきたい」とレギュラーツアーでの優勝、シード獲得に向けて高い意識を持ち続けている。今大会は「最低でも20位以内に入りたい」とリランキングの順位を上げて中盤戦以降の出場権を確保したい。

今大会は悪天候のため初日の競技が中止となり、36ホールストロークプレーの短縮競技となった。賞金ランキングへの加算は75パーセントに減額されるが、メルセデス・ランキングの配分ポイントに変更はない。(文・小高拓)

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