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「うまくなりたい…まだまだ終わりが見えません」 35歳・穴井詩がここから目指す“全盛期”

4年分の思いが詰まった穴井詩のガッツポーズだった(撮影:上山敬太)

<ヤマハレディースオープン葛城 最終日◇2日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6480ヤード・パー72>

穴井詩がトータル9アンダーで並んだささきしょうことのプレーオフを2ホール目で制し、4年ぶりのツアー4勝目を飾った。強風により上位陣のスコアが伸び悩むなか、3打差を追ってスタートした穴井は4バーディー・2ボギーの「70」をマーク。プレーオフでは運も味方し、勝利を手繰り寄せた。

18番パー5で行われたプレーオフ1ホール目、穴井のティショットは大きく右に飛び出した。「緊張してすっぽ抜けました。一瞬終わったなと思ってしまった」というミスショットだったが、ボールはテレビ塔に当たってフェアウェイに戻ってきた。命拾いの一打からパーをセーブし、1ホール目を分けると、2ホール目はともに2メートル弱のバーディチャンス。先にささきが外すと「3ホール目にはいきたくないと思った」と気合を入れ直した穴井がねじ込み、激闘に決着がついた。

昨年も平均257.49ヤードでドライビングディスタンス1位に輝いたツアー屈指の飛ばし屋だが、今季はフェアウェイキープを重視。「最終日を除けば、力感のコントロールがうまくできたと思います」。3日目までは各日、フェアウェイを外したのが1度だけ。強風の中での優勝争いで力が入った最終日も、14回中11回のフェアウェイキープとティショットが安定した。

すでにベテランの域に達した35歳だが、まだまだ向上心にあふれている。「スイングをきれいにしたいし、無駄をなくしたい。年間獲得賞金1億円を超えてみたいし、メジャーも獲りたい。欲望ばかりです」。さらに今季の目標を問われると「年間複数回優勝をしたことがないので、あと1回と言わず、何回か勝ちたいです」。フェアウェイキープを重視して抑え気味でも、飛距離は今季もツアー2位(256.50ヤード)。今大会での安定感を継続できれば、十分に達成可能な目標だろう。

「うまくなりたいという気持ちが原動力でまだまだ終わりが見えません。体が限界になるまでとは思っていますけど、そうならないようにトレーニングを頑張ります」。近年のツアーでは20代でピークを迎える選手が多いが、それも人それぞれ。飛ばし屋・穴井の全盛期はまだこれから訪れるのかもしれない。(文・田中宏治)

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