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「今は自分で原因を考えられるように」 “自立”を決意した佐藤心結の今

首位と5打差の4位タイにつけた佐藤心結 最終日の追い上げなるか(撮影:鈴木祥)

<リゾートトラスト レディス 3日目◇27日◇グランディ浜名湖ゴルフクラブ(静岡県)◇6500ヤード・パー72>

初めてシード選手として迎えた今シーズン。佐藤心結(みゆ)は、ここまで出場12試合で7度の予選落ちを喫し、メルセデス・ランキングでも74位と苦しんできた。しかし静岡での戦いは、ショットの状態が上がっているという手ごたえを感じられる4日間になりそうだ。

「特にアイアンでラインを出せるようになってきて、距離も安定して飛ばせています。最近はピンに対して合わせやすく、チャンスが作れるようになってきている。アイアンがきょうはよかったですね」。昨年は70.7441%で17位になったパーオン率も、ここまで62.5926%の55位。グリーンを狙うショットが精彩を欠いていただけに、3日目に18ホール中17ホールを記録したパーオン数は自信につながってくる。

昨年12月に、小学生のころから指導を受けてきた三觜(みつはし)喜一コーチのもとを離れた。現在は周囲のアドバイスも得ながら、基本的に自分で考え、スイングの試行錯誤を行っている。「先のことを考えると、誰かに見てもらったほうがいいし、気持ちに余裕もできると思います。ただ、今は自分で原因を考えられるように。(コーチ選びは)焦らずにと思っています」。これが“自立”した今、考えていること。

ここにきて状態が上がってきているのも、3週前の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」の会場でキャディから指摘を受け、話し合いのすえアドレスを見直したことに起因する。もともとフェーダーだが、アドレス時にクローズドスタンス気味になっていることがわかった。「逆のボールを打つんじゃないか、という向きになっていて、どっちの球(フェード、ドロー)も出るようになっていた。どこに飛んでいくかわからない状態で、狙いたいのに狙えないということが続いてました」。大事なメジャー大会ではあったが、“今後のこと”を優先。多少の違和感があってもオープンスタンスを意識しプレーした。

3日目はスタートホールの1番から、2打目を4メートルとピンに絡ませバーディ発進。17番で奪った5つ目のバーディも2メートルを沈めたものと、ショットのキレは戻りつつある。しかもボギーフリーとくれば、さらにその満足度は高い。トータル12アンダーまで伸ばし、順位も4位タイまで上げてきた。

首位の山下美夢有との差は5打あるが、「せっかくのチャンスなので、それを生かさないと優勝というものには届かないと思う」と、しっかりテッペンを狙っている。「きょうも集中して平常心でできていた。この感覚を忘れずに明日も同じようにやっていければ、優勝争いにも絡めると思う」。気持ちを高めてコースに出ていく。(文・間宮輝憲)

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