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はじめましてで『今週優勝しますよ』 藤本麻子が身を委ねるハウスキャディの“言霊”

グリーン上の2人。息はピッタリだ(撮影:佐々木啓)

<資生堂 レディスオープン 2日目◇30日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6605ヤード・パー72>

まるで言葉が持つ力に導かれるように、藤本麻子が快ラウンドを続けた。初日を1アンダー・15位タイで終えると、2日目は4バーディでボギーなし。トータル5アンダーまで伸ばし、一気に優勝争いに食い込んだ。その要因は「先週、全然入らなかった」というパッティングに改善が見られたから。そしてここには、こんな裏話があった。

今週はハウスキャディを起用。そして“はじめまして”の時から、強い信頼感を覚えることになった。「出会って一言目で『今週優勝しますよ』って言ってもらえて、ラインとかもテキパキ教えてくれます」。ホームコースの情報はお任せと言わんばかりの仕事ぶり。「任せっきり。どこに打ったらいいかなって思って、実践しているうちに自分のライン読みも合ってきた。先週はそのライン取りがうまくいかなかった。キャディさんに『ここだよ』って言ってもらえて、さらにイメージと合ってる」。初日も27パットでまとめたが、グリーン上で安心して身を委ねることができている。

イメージ通りのラインを言ってもらえるから、強気でカップを狙える。「微妙な1.5メートルくらいのパットが残った時に、『ビビってないで壁ドンだよ』って言われてバンって打ったら入った。新鮮で面白いです。ここ最近はなかった感じ。グリーン上でどんなアドバイスが来るかなって、楽しみにしてます」。まるで熟練コンビのように、すでに息もピッタリだ。

QTランク12位で迎えた今季だが、第1回リランキングまでの16試合は予選落ちが9度を数え、優先出場順位も40位まで下がった。引き続きレギュラーツアーを主戦場にはできるが、出られるか出られないかという試合も増えるという立場。だが2019年に喪失したシード復活のためにも、そろそろ結果を残していきたい時期でもある。

ツアー本格参戦2年目だった2011年の「伊藤園レディス」で初優勝を挙げたが、それ以降、勝利から遠ざかっている。「きょうのほうがショットがよかった。ティショットもラフに入らない。楽にゴルフができて、パー5や短いホールでバーディが獲れた」とかみ合いのよさも感じられるだけに、このまま上位でラウンドを進めていきたい。口にしたことが実現する“言霊”。それが今年33歳を迎えたベテランを約12年ぶりの頂点へ後押しするかもしれない。

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