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母指球よりも足の外側重心がいい 昨年大会101位の上野菜々子が2位に浮上

初V射程圏内に浮上した上野菜々子(撮影:米山聡明)

<ダイキンオーキッドレディス 3日目◇4日◇琉球GC(沖縄県)◇6560ヤード・パー72>

昨年は101位タイで予選落ちに終わったプロ3年目の上野菜々子が、今年は堂々と優勝争いをしている。11位タイから出たこの日、6バーディ・1ボギーの「67」で回り、首位と2打差のトータル7アンダー・2位に順位を上げた。アマチュアだった2018年の「大王製紙エリエールレディス」で経験しているが、プロになってから初の最終日最終組に入った。

上位陣が伸び悩む中、前半の4番から4連続バーディを奪うなどリーダーボードを駆け上がった。「全体的にショットもパットも良かったです。長いパットも短いパットもしっかり決められました。ショットも思ったようなショットが半分弱打てた」と白い歯を見せた。

昨年と変えて臨んでいることが3つある。沖縄特有のコーライグリーンに悩まされた昨年は、考えすぎてドツボにハマった。「何も考えないように」と1年前から今大会はエースパターの封印を決めた。複数本パターを持参して練習ラウンドで試し、ジュニア時代に使用していたピン『TR 1969 アンサー2』を選択。「思ったように転がってくれる」とパター変更がハマっている。

また、このオフは、整体師からのアドバイスもあってスイング中の重心位置を変えることに取り組んできた。「両足の母指球に重心が乗らないように、ちょっとカカト、外側に重心を乗せるように意識しています」。スイング中だけでなく、普段の歩くときやコース内で人のプレーを見ているときなども、足の外側に重心がかかるようにしている。

重心の意識を変えることで2つのメリットがあるという。1つはスイングの動き。「今まではどちらかというと手で(クラブを)操作しているショットが多かった。真っすぐはいくけどスピン量が少なかったり、球が低かった。重心を外側に意識することで、体全体を使って打てるようになり、クラブの入りがよくなり、スピン量が増えて、球も高くなりました」。1発目から感触がよく、弾道計測器のデータもよくなったという。

もう1つは、疲れにくくなること。「ツマ先寄りで歩いていた昨年は、疲れやすくなるのが課題でした。重心を外側に意識することで疲れにくくなると言われました」。4日間大会の大事な場面で活きてきそうだ。

さらに、今年からコースメモを持たないことを決めた。「メモは一つあればいいかなと(笑)。風向きを聞いて、狙いどころに打つだけなので自分が考えるよりシンプルになる」と、風の読み、残り距離、狙いどころはキャディに頼り、二人三脚感が出ている。唯一見るとすれば、2打目のショットを打つ時にグリーンの傾斜を確認するときだけだ。念のため昨年使用したコースメモを持ってきたが、初日やってみて「とてもやりやすかった」とスーツケースの中にしまったままだ。

「明日は順位的な目標というよりは目の前のやりたいショットをやっていきたい」と気負いはない。昨年はメルセデルランキング55位で初シードに手が届かなかった。「優勝したい、シードを獲りたい思いが強くなりました。昨年は自分の実力だと思います。今シーズン、1年どう取り組むかを考えました」。開幕戦から成果を発揮する舞台が整った。

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