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どんな状況からでもピンを刺す、鈴木愛のレベルターン【優勝者のスイング】

54ホールでボギーなし。抜群の精度を見せつけた鈴木愛のアイアンショット(撮影:米山聡明)

「北海道 meiji カップ」で、ツアー通算18勝目を飾った鈴木愛。3日間54ホールをボギーなしでプレーし、そのまま優勝まで駆け抜けたのはツアー史上16人目の快挙だった。最終日は、6番パー5でセカンドを林に入れるトラブルがあったもののパーで切り抜けると、バックナインでは3バーディを積み重ね、2位に3打差をつける圧勝で復活を印象付けた。「『今度こそ!』と思って挑んだ2週連続の優勝争い。そこで結果を残した鈴木さんのスイングには、以前にも増して凄みを感じました」というプロコーチの長谷川哲也に、われわれも真似したいポイントを解説してもらった。

54ホールをボギーなしでプレーできた要因は、なんといっても精度の高いショットにあるだろう。「どんなショットでも軸が倒れずレベルターンをしているのが、狙い通りに打てているポイント。ドライバーのように高くティアップしたボールをフェアウェイウッドでボールだけ打つのは、調子を落としたプロがやる鉄板の練習ですが、あれは軸を倒さずレベルに回転したいから。“レベルターンはショットの真髄”といってもいいくらい大切なことなんです」(長谷川)。

体がレベルにターンすれば、ダフリやトップだけでなく、インパクトでフェースが開く振り遅れがなくなる等、良い影響が出ることが約束されている。

 

レベルに振れず、軸が倒れる原因としてまず挙げられるのが、ボールを上げにいって右サイドが下がること。そして、その動きの根本にあるのは腰が左に流れるスエーだ。「例えば右に軸が倒れる人が、“右肩を下げない”意識をしても、矯正はできません。軸が倒れる原因は、腰が左へスエーして頭が下がってしまうこと。つまり、左へのスエーを修正することが右サイドを下げない、レベルターンをするためのポイントなんです」。

 

スエーを修正するには、ワイドスタンスでスイングしたい。「これでもかっていうくらい極端にスタンスを広げて、椅子に腰掛けるようにやや重心を落として打てば、腰が左右に動かなくなり、軸も倒れようがなくなります。体の真ん中で動いている感覚がつかめたら、少しずつスタンスを戻して、スエーせずに打てるポジションを探していきましょう」。

他にもヒザ立ちスイングや、椅子に座ったまま打つなど、同じ効果が得られるドリルがある。練習場では恥ずかしくてできないかもしれないが、自宅でこうした素振りをすれば、体の中心で動く感覚がつかめるだろう。この夏の日課として、取り入れてみてはいかがだろうか。

 

プロフィール/長谷川哲也

深堀圭一郎のマネージャー兼キャディを務め、2年間国内外のツアーを転戦。2004年から本格的にゴルフインストラクターとしての活動を開始。DEPARTURE GOLFでレッスンする傍ら、最先端のゴルフ理論や指導メソッドを発信しているYou Tube「ゴルフレッスン動画のマイケルゴルフTV」のチェンネル登録者数は6万人を突破。

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