地元大会で復活V 北村響、9年ぶり栄冠の陰に2人の名参謀

涙の9年ぶりVを果たした北村響(撮影:福田文平)

<Hanasaka Ladies Yanmar Golf Tournament 最終日◇8日◇琵琶湖カントリー倶楽部 栗東・琵琶湖コース(滋賀県)◇6408ヤード・パー72>

9年ぶりの栄冠をジュニア時代からラウンドを重ねた琵琶湖CCでつかんだ北村響。この日はスタイヤーノ梨々菜と激しい優勝争いを繰り広げたが、17番パー5で8メートル、最終18番でも3メートルを決めて連続バーディ締め。終わってみればトータル5アンダー、2位に3打差をつけてステップ・アップ・ツアー2勝目をつかんだ。

8年前にドライバーイップスとなり、それからは苦しい時間を過ごしたが、転機となったのは3年前に関西で放送されているゴルフ番組『真弓&勝成のExpert GOLF』に出演したこと。ここでレギュラーツアー10勝、シニアでは4年連続賞金王に輝いたこともある高橋勝成と知り合い、連絡先を聞きだして押しかけ弟子に。「下半身をもっと使うスイングに変えました。アプローチ、ショットも安定し、飛距離も20ヤード伸びた」と復活のきっかけをつかむことができた。知り合った当初は10時から18時までコースの練習場で1000球を打ち込むなどハードな練習をこなし、ショットに磨きをかけたという。

そして、2年前にはクラブ契約がフリーとなったのが契機となり、クラフトマンとして10年以上ツアー現場に立ち続けた赤穂勇介氏が立ち上げた『A DESIGN GOLF』のアイアンを使うように。その際に「重たくてしなるシャフトを使う方がいい」と言われ、自身にとっては重めの『ダイナミックゴールド105』(S200)を挿したところ、これがばっちりハマってショットの精度がさらに向上。パーオン率が上がり、スイング改造の結果も相まって自信をもってプレーができるようになった。

技術的なことは高橋が、ギアのことは赤穂氏が、2人の名参謀の手で長く暗いトンネルから抜け出した。勝ちたくてしょうがなかった地元・滋賀開催の試合で見事復活優勝を挙げた。「このコースでアンダーを出せたのは自信になります。今年の目標は賞金ランク2位以内に入って来季のレギュラーツアー前半戦の出場権をつかむことです」。この勝利で目標達成へ大きく前進。ハナサカレディースで9年ぶりに咲かした大輪の花、この勝利をレギュラーツアーへの足掛かりにしてみせる。

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