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飛距離の女王も30代に突入 衰え知らずの葭葉ルミが狙うは“ドラディス賞”25万Tポイント?

“飛ばし”では負けられない。葭葉ルミがドラディス賞へ闘志。(撮影:佐々木啓)

<Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント 初日◇17日◇鹿児島高牧CC(鹿児島県)◇6419ヤード・パー72>

2017年、18年が1位、19年と22年が2位と、ドライビングディスタンス部門で常に上位に入る葭葉ルミは、今月12日に30歳の誕生日を迎えた。20代前半の選手が台頭する中、飛距離の女王は30歳になっても自分の武器は忘れていない。

ツアー屈指の飛距離を武器に、14年に初シードを獲得。16年には初優勝を遂げた。20-21年シーズンにシード権を手放したが、昨年末のQTで6位に入り、今季の前半戦の出場権を獲得した。「また戻ってきちゃいました(笑)。(若い頃は)30歳になってもレギュラーツアーに出られると思っていなかった。引き続きキープできるようにがんばりたい」という気持ちで今シーズンは臨んでいる。

世代交代の波が押し寄せる女子ツアーだが、「年齢は関係ないのがゴルフなので。自分の芯があればやっていけると思います」という信念を持つ。昔からゴルフ場の練習場がクローズしても街の練習場でボールを打つほど球を打って調整するスタイル。ツアー中は月曜日こそ休みにしたが、火曜日からは練習の虫なのは変わらない。

もちろん飛距離に対してのこだわりもある。このオフは、昨年不調だったアイアンショットを見直して、テンポよく振ることを意識したが、「引き続き飛距離を伸ばそうと思って、頑張って振っていました」。

昨季を振り返ると「ヘッドを返すことを意識しすぎて」手を使うスイングになっていたが、「飛距離を出すために体を使ってボールをつかまえる」ことをテーマにした。体を使ってボールをつかまえるコツは、上半身と下半身の念転差。ダウンスイングで下半身を先行させてタメを作ることで大きなパワーを生み出す。

ただ年齢的な影響もある。「どうしても下の動きが鈍くなって、今までできていたことができなくなっています」。下半身をうまく使うためにあえて下半身はどっしりさせずに、膝を動かすイメージで下半身を先行させる工夫も取り入れた。

シード復帰の足がかりとなる上位入りはもちろんだが、「今週はディスタンス賞を狙いたい」。今大会は最終日のみ9番ホールでドライビングディスタンス賞がかかっており、1位の選手は飛ばしたヤード数×1000Tポイントをもらえる。「250ヤードだったら…25万ポイントですから」と目を輝かせるほど飛距離には自信を持っている。

この日は、6バーディ・3ボギーの「69」で回り、首位と4打差の18位タイ発進。「前半4つ伸ばして、後半、緊張しちゃいました。30歳になったから感情の起伏のない大人っぽいゴルフをしたいと思っていましたが、(出入りが激しく)やっぱ変わらないですね」と、いい意味で持ち味を失っていない。

昨年は2位タイに入り、自身75戦ぶりのトップ3入りを果たした。「コースのイメージはすごくいいです」と残り2日での巻き返しを誓う。シード復活、7年ぶりの優勝を目指す今季。飛距離でも成績でも、まだまだ存在感を示したい。

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