メルセデス・ランキングとは? 導入の背景や歴代女王を紹介

1.メルセデス・ランキングとは?

メルセデス・ランキングとは国内女子ツアーの各競技、及び米国女子(USLPGA)ツアーのメジャー競技での順位をポイントに換算し、年間を通じて総合的な活躍度を評価するランキングです。

 各年度の国内女子ツアーが終了した時点で、1位の選手には以下が与えられます。
・4年間のシード権
・年間最優秀選手賞(JLPGA Mercedes-Benz Player of the Year)

 上位50位までの選手には、以下が与えられます。
・翌年度のシード権

 51位~55位の選手には、以下が与えられます。
・翌年度のJLPGAツアーで行われる、第1回目のリランキング(成績に準じて出場優先順位を組み替える試合)の出場資格

なお、ランキング名の「メルセデス」とは、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のオフィシャルパートナーで、JLPGAの活動を包括的にサポートしているメルセデス・ベンツ日本株式会社の名が冠されています。

2.メルセデス・ランキングの導入背景

メルセデス・ランキングが導入された背景には、賞金ランキングに公平性が欠ける点があったことが挙げられます。

賞金額は試合によって大きく異なります。例えば賞金総額が7000万円の試合より2億円の試合で活躍した選手のほうがより多額の賞金を得て、賞金女王争いやシード権争いに有利に働きます。そのため、高額賞金が得られる試合での大どんでん返しもたびたび起こっていました。

なかには、賞金額が国内メジャー大会を上回る試合もあります。つまり、選手に「メジャーより、賞金額が高い試合に出場したほうが得」と判断されれば、公式戦の“格”を下げることにもなりかねない状況だったのです。

このような状況を是正するために導入されたのが、順位をポイント化することで選手の実力がわかりやすく、公平性の高いメルセデス・ランキングです。創設は2012年ですが、賞金ランキングから一気にメルセデス・ランキングへ変えるのではなく、段階的に移行する期間を設けていました。

そのため、毎シーズン賞金女王と年間女王のダブル女王が誕生しており、賞金女王=年間女王ではないケースも生じていました。たとえば2020-21年シーズンの賞金女王は稲見萌寧で、2位が古江彩佳です。しかし、メルセデス・ランキングでは古江彩佳が1位で年間女王となり。2位は稲見萌寧でした。

こうした過渡期を経て、22年、メルセデス・ランキングに一本化されました。国内女子ツアーの頂点に君臨する選手が賞金女王から年間女王になり、シード権争いも賞金ランキングではなく、メルセデス・ランキングの順位が対象になったのです。

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