無欲が生んだステップ最多差逆転! 優勝の大須賀望自身が「信じられない」
<サロンパスレディス 最終日◇22日◇若木ゴルフ倶楽部(佐賀県)◇6315ヤード・パー72>
何より驚いたのは、優勝したルーキー・大須賀望自身だった。
最終日のスタート時、9アンダーで首位に立つ竹内美雪と、イーブンパー・9位タイの大須賀。その差は9打あった。「昨日、一昨日と違って風もなかったので、スコアはそこまで落ちないと思っていた。最低でもトップ5に入れるようにと思ってスタートしました」。
前半で2打伸ばした大須賀がスコアを確認したのは12番が終わった時点で、トップとはまだ6打差。残りホールを考えれば、ひっくり返すのは容易ではない。もとより大須賀は、「きょうのスコアの目標を4アンダーにしていたので、あと2つバーディを獲ろうと思って頑張りました」と耽々(たんたん)とプレーを続けた。
そこからスコアボードはなく、16番を終えて3アンダー。そして、17番のティでスコアボードを見て驚く。「トップが5アンダーで、エッと。17、18番でバーディを獲れば逆転もあり得るかなと思いました」。その17番パー3、ピンまで128ヤードの距離に対し、アゲンストの風を計算。2クラブ上げて、7番アイアンでショットを放った。「まずは池さえ入らなければ」という作戦だったが、これがベタピンのお先にバーディ。18番パー5も奥の池を警戒して3打目を放つなど冷静沈着なプレーを見せ、トータル4アンダーでクラブハウスに戻った。
最終18番はパー5だけに、バーディのチャンスは十分にある。最終組、同じトータル4アンダーでやってきたのは竹内美雪と保坂真由。「バーディを獲られて負けか、うまくいってもプレーオフかなと思いながら、アプローチ練習をしていました。練習グリーンから最終組のプレーを見えていて、お二人がボギーを打った。プレーオフに対して緊張していたので、喜ぶより驚きのほうが強かったです。まだ実感が湧かないです」。
こうして、ステップ史上最多の9打差逆転優勝となったわけだが、まさに無欲が生んだ大記録。実感が湧かないのも当然だが、優勝で得られる特典に関して問われると笑顔がこぼれた。
「ファーストQTを免除にしたかったので、今回勝てて本当に良かったです。あと、残り4試合でステップ賞金ランキング2位以内に入って(同大会終了時点で3位)、来シーズン前半戦の出場を獲得したいですね。それから、来年はシード選手になることが目標。できればJLPGAツアーで1勝したいですし、それが地元のミヤギテレビ杯だと最高です」。夢が膨らむ1勝だった。
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