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元女王の貫録! 鈴木愛が54Hノーボギーで完勝「威厳を見せていきたい」

元女王・鈴木愛が2年ぶりV。ギャラリーも惜しみない拍手を送った(撮影:米山聡明)

<北海道meijiカップ 最終日◇6日◇札幌国際カントリークラブ 島松コース(北海道)◇6593ヤード・パー72>

これが女王のゴルフ! 単独首位でスタートした鈴木愛が「67」とスコアを伸ばし、2位に3打差の圧勝で2年ぶりとなる通算18勝目を飾った。序盤はスコアを伸ばせず、リードを失ったが、8番で初めてのバーディを奪うと、ここからバーディラッシュで一気に後続を突き放した。

3日間ノーボギーで戦い抜いた鈴木にとって、最大のピンチは6番パー5だった。2打目は左の林に打ち込み、あわやOB。それでも「セーフだったら何とかなる」と気合を入れ直すと、最後は4メートルのパーパットをねじ込んだ。

先週も最終日を首位で迎えたが、若手の櫻井心那に逆転を許して3位に終わった。「優勝争いが好きだったのに、(今は)嫌いまではいかないけど、どうやって勝っていたのか分からなくなって。今までどうやっていたんだろうというのが正直な気持ちでした」。先週のプレーは自分らしくない“逃げるゴルフ”。その反省から今大会では本来の攻めるゴルフを意識した。

中盤からはその攻めが実り始める。8番で3メートルのチャンスを生かすと、続く9番パー5では残り44ヤードの3打目を30センチにつけて連続バーディとした。後半に入り、12番パー5でも3打目を1メートルにピタリ。15番パー4では5UTで2メートルにつけるスーパーショット。16番パー4では8メートルを沈めて連続バーディを奪い、優勝を決定づけた。

今大会で起用した福井良太キャディとは、過去にもコンビを組んでいる。「すごく前向きな言葉で背中を押してくれます。以前にも優勝争いをしたことがあって、このコンビで勝ちたいと思っていました」。

一方の福井キャディは「自分は全然何もしていないです。ただ隣で見ていただけです」と謙遜(けんそん)し、2年ぶりVを遂げた鈴木の優勝シーンを特別な気持ちで見届けた。

勝てなかった2年間は若手の台頭に押された格好だが、引き下がるつもりはない。「今の20歳前後の子たちは技術も飛距離もレベルアップしていると思うけど、経験値や優勝回数は負けていないので、そういうところで威厳を見せていきたい。負けたくない」。来年5月で30歳を迎えるが、鈴木の全盛期はまだこれからだ。(文・田中宏治)

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