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痛み抱える渋野日向子の決意「長期間休むことは私にはできない」 日本でワースト順位&初トリでラウンド後には特打

5オーバーと出遅れた渋野日向子。覚悟の特打がカムバックにつながるか。(撮影:佐々木啓)

<ブリヂストンレディスオープン 初日◇18日◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)◇6573ヤード・パー71>

渋野日向子の今季日本初戦は、ほろ苦いスタートになってしまった。2オーバーで迎えた最終9番。2打目をフェアウェイ左にあるバンカーに落とすと、そこから池越えでグリーンを狙った3打目がショートし、ボールは水のなかに消えた。「(バンカーの)ライはすごくよくて、あれは自分のミス。若干ダフってしまった」。結果的に6オン2パットのトリプルボギーで、5オーバー・110位タイと苦境に立たされた。

グリーンを狙うショットがなかなかまとまらず、右へ左へと外れた。「どうにかしたかったけど、できなかった」。さらにパットでも歯がゆい時間が続く。スタートの10番ではピン手前10メートル弱からのパットが、3メートルほどオーバーし3パットのボギーを叩いた。「(グリーンが)速くて、朝から大オーバーしました。ここは狙いにいく場面ではなかったけど…ちょっとかっこつけましたね」。いきなりビハインドを負ってからも、なかなかタッチを合わせることができず、9番も7打目となった1メートルほどのダブルボギーパットが、カップに蹴られて喫したトリだった。

しかし納得いくプレーができず、さらに悔しすぎるあがりになったものの、その表情や声に悲壮感はなく、むしろ明るい。「単純につかれました」という開口一番の言葉も笑顔とともに発されたものだ。それはプレーを見守った多くの日本のファンの声援があったから。「鳥肌が立つくらいうれしい。セカンド地点で後ろを振り返ったら、めちゃくちゃ行列ができていて、アメリカでは見ることがない。感慨深いなと思いながら。感謝。ありがたい」。自然と顔もほころぶ。

「(バーディ)1個は獲らんといけんと思っていた。ホール数が減って『どうしようか』という感じで(笑)。でも残り3ホールで1個は獲ろう、という話をしていた」。そんな思いはありながらもなかなかバーディが生まれなかったが、ようやく後半7番パー4で2.5メートルのチャンスが訪れる。これを沈めて初バーディ。その時には、ギャラリーに向かって3度バンザイをするよう手を上げて笑顔を見せた。

ただやはり「でも獲ろうと思ったところ(9番)で8点ですから(笑)。最後はほんと余計ですよ」と自虐的に振り返った最終ホールが、頭によぎってしまう。この日も左手にテーピングを巻きながらのプレーだったが、その影響で練習量が減っているのも事実。本人は「言い訳をしたくない」というが、それでも「どこかに痛みがあるとかばうのは人間の特徴。ズレは出てると思うし、微妙な体やクラブの感覚が鈍っているとは思う」と影響は小さくない。

主戦場にする米国ツアーがオープンウイークとあって、“休む”という選択肢もあったはず。ただ渋野は「先に治せと思うところはあるかもしれないけど、それは自分にとって難しい。長期間休むことは私にはできない」と、その心中を明かす。「そこまでではないという判断で今回も出ている分、やり切らないといけない。そのなかで何か見つけることができれば。非常に言い訳がましくてすいません」。ジレンマを断ち切っての出場ともいえる。

いざコースに出れば「普通に打てる」ということも確認しながらプレーを続けている。ただ、この日のラウンド後は、昼食を挟んですぐに打撃練習場に向かい、制限していた打ち込みも敢行した。最高気温30度を超えたコースで、時間にして1時間30分ほど。途中でアマチュアの馬場咲希(代々木高3年)が駆け寄り、少し談笑する時間もあったが、あとは黙々とアイアンを中心とした“特打”を行い汗を流した。午前7時40分にスタートした一日は、コースを後にした時、すでに午後4時を過ぎていた。

渋野が日本ツアーでトリプルボギー以上を叩いたのは、まだツアー選手として登録する前の2017年「日本女子オープン」第1ラウンド14番で『+5』を記録して以来のこと。ただし18年に単年登録選手としてツアーに本格参戦してからはなく、公式記録上はこれが国内で初めてのことだ。さらに3桁順位も19年の「KKT杯バンテリンレディス」初日の106位以来で、今回が日本での自己ワーストとなる。しかしこのKKT杯では、2日目に「66」、最終日に「68」を記録し最終的に20位で終えており、渋野を語るうえで外せない試合のひとつにもなっている。

“やり切る”ために、封印を解いてまで取り組んだラウンド後の特打を2日目のカムバックにつなげたい。覚悟を持って臨む試合で、今度はさらに多くの拍手と大歓声を引き出してみせる。

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