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「ごめんね」のち歓喜 森美穂、香妻琴乃ペアが30歳以上ツアーで初V【エイジェックLady Go Cup inとちぎ】

ナイスコンビネーションで頂点に立った森美穂(左)と香妻琴乃(大会提供)

<エイジェックLady Go Cup inとちぎ 最終日(1日競技)◇19日◇セブンハンドレッドクラブ(栃木県)>

30歳以上の女子プロによるダブルストーナメントLady Goカップ2023年の第2戦「エイジェックLady Go Cup inとちぎ」は森美穂(30)、香妻琴乃(31)の“ルーキー”ペアが優勝を飾った。5バーディ・1ボギーの「68」で百戦錬磨の李知姫、イ・ナリの韓国ペアと並んだが、最後はプレーオフとして行われた80ヤードのアプローチ対決を制し初優勝を飾った。

封印していた「ごめん」が最後に出た。

1つのボールを交互に打つオルタネート方式のダブルスを前に、ペアはある決め事をしていた。“どんな結果になっても謝らない”。一日を通して「噛み合っていた。謝るほどのショットもパットもなかった」と順調にプレーを続けたが、最後に約1メートルのウィニングパットを森が決めきれずプレーオフになった時には「しゅんってなった」(森)と思わず謝罪が口をついた。

プレーオフは2人合わせて日本ツアー25勝を誇る韓国のショットメーカーコンビを相手に、よりによって80ヤードの寄せ対決。競技方式を聞いて「口には出さないけど、あ、負けたかも。ちょっと“不利だな”みたいな(笑)。お互いに“もう今日頑張ったよね?”って(笑)」。

結果、半ばあきらめムードが緊張を解きほぐした。4人で最初に打った香妻が1.6メートル。森は6.95メートルと寄せきれなかったが、知姫(6.84m)もナリ(4.24m)も内側には付けられず勝負が決した。

出会いは小学校6年生の全国大会。プレーオフで互いを認識した。森が「こっちゃん(香妻)は話しかけにくかった(笑)。最初は怖かったけど、関わってみたら全然でした。すぐ仲良くなりました」と笑わせたが、「美穂ちゃんは2歩も3歩も成績で先をいっていて、追いかける存在だった」とジュニア時代から切磋琢磨する間柄。ともに親が試合についてこないことが多く、タクシーに相乗りで移動したり、同じ電車で試合に通ったりしながら腕を磨いてきた。

そんな2人も30歳を越えて、結果だけを見れば苦しい成績が続いているのが現状だ。今大会が今年初賞金となった森は「緊張感のある中でいいショット打てたりしたので、やればできるんだなと思ったところもある。今後も自信を持って打っていけると思う」とプロ初タイトルをきっかけにしたい。香妻も今年はレギュラーツアーですべて予選落ち。「途中でショットを修正できたり良くなっている。あと数試合出られるので、いいプレーを見せたい」と意気込みを新たにした。

昨今の女子ツアー人気に先駆けて、ツアーを牽引してきた美人プロコンビ。「自信になりました!」と会見を締めると、列を作ったファンの元で笑顔でペンを走らせた。

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