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今季好調の岩井明愛・千怜ツインズは練ランで何してる? 毎ホール欠かせない“岩井流”練習法も…

岩井明愛(左)と千怜(右)のツインズ 練習ラウンドも雰囲気良すぎです(撮影:ALBA)

<パナソニックオープンレディース 事前情報◇26日◇浜野ゴルフクラブ(千葉県)◇6656ヤード・パー72>

今季1勝を挙げた岩井明愛(あきえ)、そして通算2勝で今季は2位に2度も入っている岩井千怜(ちさと)のツインズ。好調なふたりはどのような準備をして、試合に臨んでいるのか。開幕を2日後に控えた26日の練習ラウンドについていってみた。

川奈での激戦を終え、月曜日には地元でトレーニングを慣行。火曜日に移動、コース入りしてアウト9ホールをプレーしていた。「筋肉痛が少し残ってます」と言いながらも、水曜日はイン9ホールをラウンドした。

予報よりは雨も落ち着いていたものの、降ったり止んだりの気まぐれな天気で、かなり風が強い悪天候。それでも「本番に風が吹いたときの練習にもなりますし…あまり天気は気にならない。やることも変わらないですね」(明愛)と“いつも通り”予定時間ぴったりにコースへ飛び出した。

練習ラウンドの様子は、想像していたように、かなり雰囲気がいい。快打があれば「ナイッショー」と声を掛け合い、2打目地点では、毎ホールどっちが飛んだかを競い合う。昨季は251.75ヤードでドライビングディスタンス6位につけていた明愛だが、それに追い付け追い越せとばかりに、今季は千怜がスタッツではわずかに上回っている。普段から繰り広げられている姉妹の競争が、切磋琢磨につながっている。

たまにミスショットが出ると「あちゃー」と苦笑いするが、打ち直しをしたり、同じところからクラブを変えて2発打ったりするようなことはなかった。「よほどのミスだったら打ち直しますが、感触が悪くないショットだったらそのままですね」(千怜)。フェアウェイからの2打目がショートしてグリーンに乗らなかったとしても、その状況をインプットして、打ち直さずに歩き始める。

木が邪魔になるところにティショットを置いても、むしろそこから狙ってみたりもする。それを明愛は近くで観察し、キャディも交えながらふたりでどうやって攻めるかを考える場面も。そういう少しのトラブルも、練習ラウンドで味わっておきたいひとつの醍醐味(だいごみ)なのかもしれない。このときも、フェアウェイから打ち直すことはしない。

そしてグリーンに向かっていくが、毎ホール、そのかなり手前で立ち止まる。これがまさに“岩井流”。およそ40ヤード辺りに無作為にボールを落としウェッジでピンを狙う、というアプローチを欠かさない。

「30~60ヤードはここぞというとき、例えばパー5の3打目とかで必要になってくる距離。グリーンに向かう途中で、せっかく通るので、毎ホールでアプローチの練習をしています」(千怜)。これはパー3でも行うという徹底ぶり。練習場ではつかみきれない感覚を、実戦演習で研ぎ澄ませていたのが印象的だった。

グリーンに近づくと、仮想カップを置いて、まずは手前花道からのアプローチ練習。そしてラフ、外しそうなところからと球を打っていくが、基本的には“手前から”。明愛は「わたしの場合は、よく球を上げてしまうけど、転がす練習もしておきたい。だからコース上では、手前から転がすアプローチをするようにしています」とその意図を明かす。奥や横からのふわりと上げるアプローチも織り交ぜながらも、転がしのアプローチのイメージを膨らませ、併せてグリーンの状態も確認していく。このときもふたりが横に並びながら球を打つシーンがしばしば。それぞれがただ打つのではなく、片方が打った球を観察して「いいね~」と言い合う姿も印象的だった。

ホールアウトしたら休憩を挟み、天気が晴れないなかでも、アプローチ練習場でチップショットを確認。練習グリーンでも球を転がした。

「一番近い存在。ライバルというより仲間」というふたりの関係性。一緒に努力している姿、そして切磋琢磨し合っている様子が、わずか9ホールで感じることができた。かねて目標と話す『最終日最終組での優勝争い』に向けて、ともに準備を進めている。

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