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起死回生のショットインイーグルで予選通過 西村優菜は“憧れ”の選手とのラウンドも悔しい一日に「今は自信が…」

西村優菜は憧れのチョン・インジとのラウンドも…(撮影:Yasuhiro JJ Tanabe)

<シェブロン選手権 3日目◇22日◇ザ・クラブatカールトン・ウッズ(米テキサス州)◇6824ヤード・パー72>

劇的な一日のスタートになった。前日、日没サスペンデッドの影響で、第2ラウンドの残りから始まった大会3日目。午前7時6分に後半の14番から競技を再開した西村優菜が、16番パー4で残り179ヤードの2打目を7番ウッドで直接カップに決めた。この一打で予選通過ラインを突破する、起死回生のスーパーショットだった。

「寒さもあったし、最初(14番)はボギー。『またダメなのかなぁ』と思ったけど、その次に獲り返せたのはすごく大きかった」。こう振り返るように、トータル2オーバーから始まったラウンドでは、いきなりスコアを落としカットラインの1オーバーから一度は遠ざかった。それでも続く15番パー4では、7番アイアンで打った2打目が1メートルについてバウンスバックに成功。そして16番で一気にイーブンパーまで戻した。

「獲り返せたので、あと3ホール頑張ろうと思った。ほんとにラッキーで入ってくれました」。セカンド地点からボールの行方を目で追うことはできなかったが、「フィーリングはすごくよくて、チャンスについてくれてたらいいな」というショットが決勝への道を切り開いた。「うれしくて泣きそうでした(笑)」。カットラインを気にしながら耐えた2日間が実った。

前日は日没の午後8時までプレーを続け、翌朝5時30分頃に再びコースに到着した。「さっきまで居たのになーって」。食事をして寝るのが精いっぱいだった夜はすぐに明けた。「いいショットも打てている回数が増え、『これだ』って思えるのもある。でも緊張やプレッシャーもあって、思うように体が動いていなかった」。今季日本で迎えた開幕時から出場を狙っていたメジャー初戦は、歯を食いしばる時間のほうが多かった。

第3ラウンドでは、憧れのチョン・インジ(韓国)との同組も実現。「すごくうれしかったし楽しかった」という一日だったが、結果は悔しさを残すものになった。出だしの10番ではセカンドショットを池に落としてダブルボギー。その後もボギーが続き、「78」と大きく後退した。「ショットがピンに飛んでいかないので、いつもの自分のリズムではない。今は自信がないのでそっちから来る不安が大きい」という言葉も聞こえるほどの落胆ぶりだった。

長い一日だったが、体力面よりも「気持ち的に疲れました。(ここまでの)4試合ともそんな感じだったので」ともいう。新たなフィールドでギリギリの戦いを強いられてきた、ここまでのプレッシャーは計り知れない。「これまでも調子が悪いときはもちろんあったけど、何となくスコアは作れる範囲だったけど、それもできない。悩んでいる時間が長いかなと思う」と、もがく心中も明かした。

「コグニザント・ファウンダーズカップ」後に行われる第1回リシャッフルまで、この試合を入れて3試合。現在161番目という出場優先順位を上げるためのポイントも、もちろん気になる部分ではある。「自信を取り戻すにはけっこう時間がかかる。明日はもう少しうまくマネジメントできたら」。トータル6オーバー・64位タイで迎えるメジャーの最終日に、少しでも今後につながる光明を見出したい。(文・間宮輝憲)

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