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ローアマの中村心が日本タイトル2冠を達成 最終プロテストへ弾み「日本でトップになっていずれ海外にも」

将来性バツグンの大器。中村心がナショナルOPのローアマを獲得した(撮影:佐々木啓)

<日本女子オープン 最終日◇1日◇芦原ゴルフクラブ 海コース(福井県)◇6528ヤード・パー72>

初々しい笑顔を浮かべながら、堂々と記者会見に臨む。今年の「日本ジュニア」を制したアマチュアの中村心(こころ、ECC学園高3年)が、トータル4アンダー・14位でローアマチュアの座についた。

昨年に続く2度目の出場で、初めて予選を通過。初日は2オーバー・66位と出遅れながら、2日目に「68」を出してカムバックを果たし、アマチュアタイトル2冠目につなげた。「今年は予選通過が目標でした。2日目以降なんとかバーディを獲りながらも、パーでしのいで耐えてのローアマはうれしいです」と喜びは大きい。

1番で3.5メートル、2番で5メートルを沈め連続バーディで滑り出した。しかし、6番からは3連続ボギーと苦しい時間も。「流れよく回れなかった」というムードを、17番のチップインバーディで吹き飛ばした。紫CC・すみれC(千葉県)での昨年大会では、ラフに入ってもロングアイアンを振り回してミスをするというゴルフを続けたが、コーチでもある父と話し合いマネジメントも徹底。「ラフに入ったら3打目狙いにして、刻もうと。そうした時は、ボギー以上はありませんでした」。そしてここを「成長」した点に挙げる。

現在、初めてのプロテストを受験中。1次、2次はすでにクリアし、あとは10月31日(火)からJFE瀬戸内海GC(岡山県)で行われる最終を残すのみだ。その“大一番”に向けても、ここで得たものは大きい。

「プロの方のショット力や、しっかり決めるバーディパットとかに強さを感じました。プロテストへ向け、ショット力を上げたり、バーディパットをしっかり入れるなどの課題も見つけました」。最終日は今季2勝の岩井千怜とプレー。そこでも「アイアンの音がすごくて、自分じゃ出せないような音。いい入り方をしないと出ない音だなと思いました」という点に驚いた。

これまで、試合前日などは不安のなか過ごしてきたが、最終日に日本アマ女王・飯島早織(ルネサンス高3年)との4打差を逆転し手にした日本ジュニアタイトルが自信につながっている。「今週も大会前から自信があって、楽しくいいプレーがしたいという風にポジティブに考えられました」。今はすべての経験が成長につながっていく。

ここからは最終テストに向けての準備を進めていく。目標とするのは「常に笑顔で平常心。大事なバーディパット、パーパットを決める強さ」と憧れる小祝さくらだ。通信制高校に通い、それ以外は「趣味がないんです」とゴルフ漬けの毎日を送る。“ほかの学校よりも英語の授業時間が多い”と選んだ高校では「入学した時よりも聞き取れるようになりました」と、そのスキルも磨いている。

「今年プロになって、日本のツアーでトップになりたいです。いずれは海外にも挑戦したいなと思います」。その胸には夢がいっぱい詰まっている。15位以内になったことで、来年の大会出場権も手にした。飛距離250ヤードを誇るドライバーが武器。来年のツアーを騒がしそうな新星候補が、次は大きな関門に挑む。(文・間宮輝憲)

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