• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • 「本当に17番だけ…」賞金王・中島啓太は1差の惜敗 今月9日に“夢“を追って渡米

「本当に17番だけ…」賞金王・中島啓太は1差の惜敗 今月9日に“夢“を追って渡米

今季の賞金王に輝いた中島啓太。目標としていた米ツアーへ挑戦する(撮影:鈴木祥)

<ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日◇3日◇東京よみうりCC(東京都)◇7023ヤード・パー70>

首位タイで出た今季の賞金王・中島啓太は、3バーディ・2ボギーの「69」。トータル14アンダーで、同級生の蝉川泰果に1打及ばず2位タイ。年間獲得賞金は1億8498万6179円となり、2億円突破とはならなかった。

前日に「バーディを獲らないといけないホール」とキーホールに挙げていた17番パー5。蝉川とトータル14アンダーで並んで迎えた。そして1.5メートルを残したスライスラインのバーディパット。思いのほか強く入り、ボールはカップに蹴られた。「後半は全体的にタッチが強かったので、流れのまま強く打ってしまった。ずっと冷静にいいプレーできていましたし、本当に17番だけだと思います」。蝉川はこのホールでバーディを奪い、勝負が決してしまった。

実質プロ1年目で迎えた今季。6月の「ASO飯塚チャレンジド」では、尊敬する先輩・金谷拓実をプレーオフで下して涙のプロ初勝利。二人は熱い抱擁を交わした。

その後、2勝を挙げてトップ10は17回。シーズンを通して安定したプレーでギャラリーを沸かし、最終戦を残した段階で初の賞金王に輝いた。「最高のライバルと賞金王争いができたのが一番うれしかったし、楽しかった」とこの1年を振り返る。

このあと、中島は9日(土)に渡米し、米下部のコーン・フェリーツアーの最終予選会(現地14~17日、米・フロリダ州TPCソーグラス)に挑戦する。そこで5位以内に入れば、コーン・フェリーツアーを飛び越えて、米PGAツアーのツアーカードが手に入る。日頃から米ツアーへの憧れを口にする23歳にとっては、“夢の実現”への第一歩となる。「いい準備をして気持ちを切らさずに、もう1試合頑張ります」。若き賞金王は、覚悟を持ってアメリカの地に向かう。(文・神吉孝昌)

関連記事