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“フッ”…イラつきを吐き出した直後のスーパーショット 西郷真央は“怒とうの後半”で2位浮上

西郷真央が後半に爆発(撮影:Yasuhiro JJ Tanabe)

<Qシリーズ(米国女子ツアー最終予選会) 4日目◇3日◇マグノリア・グローブGC(米アラバマ州)◇クロッシングズC=6664ヤード・パー72、フォールズC=6643ヤード・パー71>

序盤から2、3メートルほどのバーディチャンスがなかなか決まらない。西郷真央は積もっていたイラつきを、11番グリーンを降りた時に“フッ”と一気に吐き出した。すると直後の12番パー4では、8番アイアンを握った残り151ヤードのセカンドショットがピンから10センチの位置にビタリ。「パッティングもお先でタップインできた。気持ち的に楽になりました」。停滞ムードを吹き飛ばすスーパーショットだった。

前半は2メートルを沈めバーディを奪った4番以外はすべてパー。しかし、その事実が信じられないほどチャンスは多かった。にもかかわらず、どうしてもパットは一筋カップから逸れてしまう。「気持ち的に『これが入らないんだ』というのが続いた。ショットはいいのに、横の傾斜が入らないパッティングばかり。読み切れずに外していて、フラストレーションがすごくたまっていました」。心が折れても不思議ではない状況だが、歯を食いしばった。

その気持ちを12番で軽くすると、14番では2メートルのバーディパットを沈めた。「やっとこれくらいの距離が入ってくれた」。よく“バーディは最良の薬”ともいうが、さらなる安心感をこの一打で得ると、流れもガラリと変わってくる。外している時でも、「打ちたいところに打った結果、全然入らなかったという状態。ストロークは疑うことなくできた」とスタイルを変えることもない。16番からは3連続バーディと、いい形で締めくくることができた。

前日は激しい雷雨に伴うコースコンディション不良のため、ラウンドが中止に。朝のウォーミングアップを終え、宿泊先を出ようとしたところでスタートが遅れるというメールを受け取った時には、すでに予感していた。「2日目がタフなゴルフで疲労も大きかったので休めてよかった」。まさに恵みの雨。急きょ空いた時間は、チームメンバーとの食事やショッピングモールの散策などに使い、しっかりリラックスして迎えた第3ラウンドだった。

「今年はずっとトレーニングをしていたこともあって、6日くらいの連チャンなら大丈夫かなという感覚はあった。ただ休めるに越したことはないし、気持ち的には助かりました」。予備日を使用して、しっかり108ホールを遂行するのは米国らしいところではあるが、それも「なかなか日本ではないし、これもいい経験につながる」と話す。来季の主戦場にしようとしている場所で浴びる洗礼は、そっくりそのまま来年の自分のための糧にもなる。

「65」のラウンドでトータル12アンダーに伸ばし、順位も2位タイにまで上げた。まだ3日間を残すが、大きな貯金を作ることもできた。第2、3ラウンドはフォールズCを回ったため、あすは初日以来となるクロッシングズCをプレー。「雨の影響をどれくらい受けているかも分からない。練習ではフォールズのほうがぬかるみが多いという感覚があったけど、とにかく自分のプレーに集中したいですね」。気を引き締めて新たな一日へと向かう。(文・間宮輝憲)

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