「一つ遠回りしただけ」と言えるように… 黄金世代のショットメーカーが3年ぶり日本ツアーで復活を期す【女子プロ逆襲の2022年】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net
5月に米ツアー撤退 すべて「良かった」と言えるように道を切り拓く(撮影:村上航)
米ツアー参戦、撤退、そしてシード喪失。長かった2020-21年シーズンを終えて河本結は「後悔まではしていないですが」と前置きしつつ言った。
河本結はなぜスプリットハンドで練習する?【ゴルフの飛距離アップ画像】
「私は40歳くらいまで目標を立てていて、アメリカに行くのは早めた決断でした。そのなかで、つらいというか、嫌な思いもしたし、苦しい思いばかりでした」
始まりは前途洋々だった。ルーキーイヤーとなった19年の「アクサレディス」で初優勝。その後も何度も上位に食い込む活躍を見せると、勢いそのままに米ツアー予選会も突破した。夢舞台への一歩を踏み出したのが20年の1月だった。
だが、その勢いが続かない。初戦の「ゲインブリッジLPGAアット・ボカ・リオ」こそ8位タイに入る活躍を見せたが、コロナ禍での隔離などもあり、その後はなかなか成績を残せず。加えて「生活環境になじむことが難しかった」とプレー以外の部分でも悩みが生まれてゴルフに集中できなくなり、21年5月に米ツアー撤退を決断。母国で再起を図った。
しかし復帰してからも一度崩れたものを立て直すのは難しく、一瞬良くなってもそれが続かない。復帰後20試合に出場してトップ10はわずかに1度、3試合連続の予選落ちも経験するなどフルシードの確保に失敗。メルセデス・ランキング53位による前半戦出場権獲得がやっとだった。
スタッツを見てみると、今季は明らかにらしさを失っていたことが分かる。19年シーズンで5位に入った平均バーディ数が3.6418から3.0909(20-21年は規定ラウンド数未達で順位なし)まで減少。これは2日間で平均1個以上減っている計算で、攻撃的なゴルフでリズムをつくる河本にとっては優勝争いはもちろん、予選通過という意味でも致命傷だ。
ほかのスタッツも下がっているものが多いが、注目したいのはリカバリー率(パーオンしないホールでパーかそれより良いスコアを獲得する率)。こちらは19年が59.2742%(56位)だったのが、62.7540%まで上昇。米ツアーで磨かれた小技は確実に数字へとつながっている。逆に言えばここに本来のショット力、攻撃力が戻ってくればシード復帰、さらには2勝目が見えてくるだろう。
19年以来、3年ぶりに日本ツアーに専念して臨む新シーズン。「年を取った時にあの経験をしておいて良かった、楽しかったと振り返れるように今後の生活を送っていきたい。『一つ遠回りしただけ』と言えるように」とリベンジを期す。
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