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エンターテインメントビジネスも立派な仕事なのに”不要“なものなどない【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】(No.165605) | ツアーニュース | ツアー情報 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net|GOLF情報

エンターテインメントの華やかさが人々の癒しや勇気になることも多い(撮影:岩本芳弘)

「今、ゴルフなどしていていいのか、という気持ちがあります」。昨年、何人かのプロゴルファーから聞いた言葉だ。Covid-19(新型コロナウイルス)感染拡大によりステイホームが叫ばれ、試合の見通しが立たなかった時期のことだ。

こうして選手がプレーや楽しそうな姿を見せることは“不要”ではない

記憶に新しい2016年の熊本地震や、11年の東日本大震災後にも、そんな風に迷いを抱いたプロゴルファーは多かった。そして26年前にも…。1月17日は、阪神淡路大震災メモリアルデー。兵庫県淡路島沖で起きたマグニチュード7.3の大地震が関西地方にもたらした被害は大きかった。午前5時46分52秒と冬の早朝だったことで、眠ったまま建物の下敷きになる被害や、暖房器具から発生した火災での被害も大きかった。

自然災害や、今回のウイルス感染拡大のように、人間の力でどうすることもできない災害が起きると、衣食住の確保が最優先される。いつであれ、落ち着いたら、それぞれが生活していくための仕事に戻るのは自然なことだ。しかし、前述のようにプロスポーツ選手が“仕事”を再開することに、後ろめたさを覚えてしまう場合は少なくない。

「犠牲者がたくさん出ているのに」「家もない人がいるのに」「いつ落ち着くのかもわからないのに」と、状況を考えてしまうからだ。「ゴルフなんかやっている場合なのだろうか」と。エンターテインメントビジネスでも、同様のことが起きやすい。自分の仕事をして、自分の生活を守れない者に、他人を守ることなどできない。被災地ボランティアが大切だからと言って、誰もがそれだけをしていたのでは国も自治体もなりたたなくなってしまう。

スポーツや演劇、音楽などには、さらに大切な役割がある。生きていくだけで必死になっている人々の心を和ませ、元気づけるというものだ。素晴らしいパフォーマンスを見たり触れたりすることで束の間でも、目先の苦労から離れられたり、思い出に浸ったり、前に進む力を得ることができる。パフォーマンスした側にも、そのエネルギーは跳ね返って来る。

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