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「アレンに会えて嬉しい」ガーネットの永久欠番式典で和解した2人。約10年ぶりの雪解けにアリーナも大歓声<DUNKSHOOT>

ガーネット(中央)の永久欠番セレモニーで、長年不仲だったアレン(右)との和解がついに実現した。(C)Getty Images
 現地時間3月13日(日本時間14日、日付は以下同)、ボストン・セルティクスはホームのTDガーデンでダラス・マーベリックスと対戦するも、終盤に競り合った末に92−95で惜敗した。

 もっとも、この日のメインは試合後にあった。2007年夏に加入し、2007−08シーズンのリーグ制覇に大きく貢献。2012−13シーズンまで6年間在籍したレジェンド、ケビン・ガーネットが着用した背番号5の永久欠番セレモニーが開催されたのである。

 2020年(式典開催は2021年)にバスケットボール殿堂入りを果たし、昨年NBAが発表した75周年記念チームにも名を連ねたガーネットは、ミネソタ・ティンバーウルブズ時代にリーグ最高級の選手へと成長を遂げ、2006−07シーズンのオフにボストンへ加入。生え抜きのポール・ピアース、同じくこの年加入したレイ・アレンとともに“ビッグ3”を形成すると、その周囲をラジョン・ロンド(現クリーブランド・キャバリアーズ)やケンドリック・パーキンズ、ジェームズ・ポージーにエディ・ハウスといった選手たちが固めたセルティックスは、一躍優勝候補に浮上した。
  迎えた2007−08シーズンはリーグベストの66勝16敗(勝率80.5%)を記録。プレーオフでは苦しんだものの、NBAファイナルでコビー・ブライアント率いるロサンゼルス・レイカーズを4勝2敗で下し、22年ぶりにチャンピオンとなった。

 ビッグ3擁するセルティックスは、2010年にもイースタン・カンファレンスを制して頂上決戦へと駆け上がるも、再び激突したレイカーズの前に最終第7戦までもつれた末に敗北。2012年にはファイナル返り咲きまであと1勝まで迫ったが、同じくレブロン・ジェームズ、ドゥエイン・ウェイド、クリス・ボッシュのビッグ3率いるマイアミ・ヒートに敗れた。

 6シーズンの在籍で計396試合に出場し、平均15.7点、8.3リバウンド、2.7アシスト、1.2スティール、1.0ブロックを残してきたガーネット。自身の永久欠番入りが実現することを描いてきたかと聞かれると、こう答えていた。
 「ここ(ボストン)へ来る前に、アントワン・ウォーカー(元セルティックスほか)がいくつかためになる言葉を教えてくれた。で、俺はそれを(入団)会見へ持ち込んだんだ。そして会見後、俺はここ(TDガーデン)に来てから最初に実践し、天井を見上げたのさ。

 俺はチャンピオンシップだけでなく、永遠に天井へ(永久欠番となった背番号を)掲げると明白にしたんだ。どういうことかわかるだろ?今ならそう言ってもいいよな。俺は現実のものとしたんだから」

 セルティックス加入後のガーネットは、ウルブズ時代からフィールドゴール試投数が減少するなど、個人スタッツはダウンしたものの、ディフェンシブ・アンカー兼ヴォーカルリーダーとして精神的支柱となり、絶大な存在感を発揮。2008年は最優秀守備選手賞に輝くなど、チームの根幹を支える選手として君臨した。

 この日、会場にはピアースや当時のチームメイトたちに加えて、長い間不仲と囁かれていたアレンも出席。「レイ・アレンがここにいてくれるのはいいことだ。会えて嬉しいね。次は君の番だ」と、ガーネットは元チームメイトとの再会を喜んでいた。
  ボストンでビッグ3再会が実現したことで、アレンは「ここには私が大好きな人がたくさんいる。ここにいる人たちは私の心の中にずっといるんだ。彼らと繋がることができないのはいつだって辛かった」と口にしていた。

「私は(2012年夏にヒートへ移籍し)離れたけれど、この関係が途切れたわけではないし、友情が終わったわけでもない」とアレンは語り、ガーネットとの再会を歓迎。

 また、当時エースを務めていたピアースは「君には感謝している。この街が求めていたカルチャーを持ち込んでくれたんだ。セルティック・プライドを取り戻してくれた。だから俺はチームメイト、友人、兄弟として礼を言う。一緒にプレーした皆、この街にいる人たちが君のことを愛しているよ。本当にありがとう」とガーネットへ多大な感謝を示していた。

「俺がこの地へ来たのは、仲間たちを引き上げるためだった。そして彼らが俺をより良い選手にしてくれた。そう、俺たちは互いに成長することができたのさ」

 ガーネットはそう語り、名門セルティックスで永久欠番入りという名誉を授かった。この男の実績と功績を考えれば、誰も異論はないはずだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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