「今シーズンは父へ捧げたかった」サンズのビオンボがサラリーを母国コンゴに寄付<DUNKSHOOT>

ビオンボは母国コンゴに病院を建設するために、今季の年俸(約1億7784万)を寄付することを発表した。(C)Getty Images
現地時間3月11日にYouTubeへ公開された「Bismack Biyombo Foundation」のインタビュー内で、フェニックス・サンズのビズマック・ビオンボが今季のサラリー全額を母国のコンゴ民主共和国で病院を建てるために寄付することを発表した。

ビオンボは昨年8月に父フランシス(享年61)を新型コロナウイルスの合併症で亡くしており、その父へ敬意を表するべく、今季年俸約152万ドル(約1億7784万円)をコンゴに病院を建設するための資金として寄付するという。

「病院を建設することで、僕は(病を患っている)人たちへ良いものを与えたい」とビオンボは話しており、バスケットボール選手として母国へ恩返しをしたと言えよう。

2011年のドラフト1巡目全体7位でサクラメント・キングスから指名されたセンターのビオンボは、ドラフト当日にシャーロット・ボブキャッツ(現ホーネッツ)へ移籍。これまでボブキャッツ、ホーネッツ、トロント・ラプターズ、オーランド・マジックでプレーしてきた。

昨季までのキャリア10年間で背番号は0番、8番、11番を着用していたビオンボだが、今年1月に加入したサンズでは18番を着用。これは1960年6月18日生まれの父に敬意を表して選んだ番号だという。
サンズと契約前、ビオンボはコンゴとトルコで45日間、父と過ごし、治療を見守っていた。「毎日、病院へ行って父を看病していた。そこで思ったのは、どうして彼ら(母国の人々)は家族のもとを離れることになるのか?というものだった」。

そしてビオンボは「今シーズンは父へ捧げたかった。それは僕の人生の大部分には彼がいたからなんだ。それに、彼の人生には僕やその兄弟、姉妹がいた。だからこそ、今シーズンは彼のための年にしたいという思いがあった」と語っていた。

29歳のビッグマンは10日終了時点で22試合(先発3試合)に出場して平均6.8点、5.4リバウンドにフィールドゴール61.6%を記録。

フランチャイズ初のNBAチャンピオンを目指し、一丸となって戦い続けるサンズで、裏方的な役割を忠実にこなしているビオンボ。息子が強豪チームで奮闘する姿を、天国の父も温かく見守っているに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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