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名将ポポビッチがNBAシーズン最多勝まであと1勝!しかし選手の反応は「彼が気にしているとは思えない」<DUNKSHOOT>

本日の試合で歴代最多勝に並んだポポビッチHCだが、選手曰く「(記録を)気にしているとは思えない」という。(C)Getty Images
現地時間3月7日、サンアントニオ・スパーズはホームのAT&Tセンターでロサンゼルス・レイカーズと対戦。相手チームの追い上げに屈することなくリードを守り抜き、117−110で勝利し今季25勝目(40敗/勝率38.5%)をあげた。

「我々は(相手より)少しだけクイックだったと思う。非常に我慢強くできたわけではないが、勝負どころでいいディフェンスができていた。それがこのチームへリードをもたらしたと思うね」

スパーズのグレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチ(HC)は試合後にそう語り、選手たちの踏ん張りを称賛。スパーズはウエスタン・カンファレンス12位とし、10位のニューオリンズ・ペリカンズ(27勝37敗/勝率42.2%)とのゲーム差を2.5まで縮めており、プレーイン・トーナメント進出争いを繰り広げている。

勝利したスパーズではオールスターガードのデジャンテ・マレーがゲームハイの26得点に10リバウンド、8アシスト、3スティール、ヤコブ・パートルが18得点、8リバウンド、4アシスト、ジョシュ・リチャードソンが18得点、5リバウンド、ケルドン・ジョンソンが13得点、6リバウンド、ダグ・マクダーモットが11得点、2ブロックをマーク。

そしてこの勝利でポポビッチHCはレギュラーシーズン通算1335勝目(693敗/勝率65.8%)となり、ドン・ネルソン(1335勝1063敗/勝率55.7%)が保持するNBA史上最多勝利数に並んだ。

1996−97シーズン途中にスパーズの指揮官へ就任したポポビッチは今季で通算26シーズン目で、チームを99、2003、05、07、14年と、計5度の優勝へと導いてきた。
ネルソンがミルウォーキー・バックスやゴールデンステイト・ウォリアーズ、ダラス・マーベリックスなど計5球団でHCを務めたのに対し、ポポビッチはスパーズ一筋で指揮を執り続け、ネルソンの記録に並んだ。

ただ指揮官はこの記録に関する質問をシャットアウトしており、スパーズの選手たちにさえ話さなかったようだ。在籍4年目のパートルはポポビッチHCについて次のように語っている。

「皆はポップ(ポポビッチ)のことを知ってるよね。僕は彼がそういったことを気にしているとは思えない。本当に気にしていないんじゃないかな。次(の試合)に勝ってもね。彼はそういう人間なのさ」

とはいえ、ポポビッチは昨夏の東京五輪でアメリカ代表に金メダルをもたらし、今年2月にはNBAが発表した“偉大なヘッドコーチ15人”にも名を連ねており、バスケットボール界で屈指の名将なのは間違いない。

「彼がバスケットボール界、USAバスケットボール、そしてスパーズという組織において、どれほどのインパクトを持っているか。言葉で表すのは難しいよ」(リチャードソン)

ホーム7連戦が始まったスパーズの次戦は9日のトロント・ラプターズ戦。早ければこの試合で、新たな歴史が生まれることになるかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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