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「ミルウォーキーは連覇できない」NBA優勝7回のレジェンドが王者バックスをチクリ「彼らが勝てたのは親指のおかげ」<DUNKSHOOT>

昨季バックスを50年ぶりの優勝に導いたアデトクンボは、球団初の連覇という大仕事に挑む。(C)Getty Images
現地時間1月1日(日本時間2日)、ミルウォーキー・バックスはホームでニューオリンズ・ペリカンズを136−113で下して2022年初勝利。昨年から続く連勝を6に伸ばした。

昨季のファイナルMVPヤニス・アデトクンボは、いずれもゲームハイとなる35得点、16リバウンド、10アシストをあげ今季2度目のトリプルダブルを達成。「俺はずっとアグレッシブでいられるようにしているだけ。アグレッシブな時こそ自分がベストだと感じるんだ。それは自分だけじゃなく、チームにとってもそう。俺がオープンショットを作り出せるからね」と誇らしげに語った。

バックスはそのほか、控えのジョーダン・ウォーラが23得点、ドリュー・ホリデーが21得点、6アシスト、2スティール、2ブロック、グレイソン・アレンが16得点、ボビー・ポーティスが14得点をマーク。現在25勝13敗(勝率65.8%)でイースタン・カンファレンス3位につけている。

そのバックスは昨季、1971年以来フランチャイズ史上2度目のNBAチャンピオンに立った。アデトクンボ、ホリデー、クリス・ミドルトンのビッグ3を中心とした布陣で、今季も優勝候補の一角なのは間違いない。
そんななか、現役時代に7度のNBAチャンピオンに輝いたロバート・オリー(元ロサンゼルス・レイカーズほか)が現地メディアのインタビューに応じ、こんなことを口にしていた。

「これから先、3連覇するチャンスを手にするチームが出てくるとは思えない。2連覇するチームは現われるかもしれないが、3連覇となると怪しいね」

16年間のキャリアで4球団を渡り歩いたオリーは、1994、95年にヒューストン・ロケッツで2連覇、2000~02年にレイカーズで3連覇、05、07年にサンアントニオ・スパーズで2度の優勝を経験。キャリア平均7.0点、4.8リバウンド、2.1アシストと決してスタープレーヤーではなかったが、ディフェンスや勝負強い3ポイントなどで貢献した。

そんな名脇役は、一昨季に優勝した古巣のレイカーズを引き合いに出し、現代のNBAで連覇することの難しさを説く。
「これからは2連覇を達成するチームさえないかもしれない。レイカーズを見てくれよ。彼らはチャンピオンシップを勝ち取った。でも翌シーズンに全く違うチームになっていた。ミルウォーキーが2連覇できないのは皆知っているよな。そもそも、あのチームは1位になるべきじゃかったんだ……。彼らが勝てたのは足の親指のおかげさ」

オリーが語る「足の親指」とは、ブルックリン・ネッツのケビン・デュラントのこと。昨季のプレーオフ、バックスは1回戦でマイアミ・ヒートをスウィープ(4連勝)で下すと、カンファレンス・セミファイナルでネッツを4勝3敗で撃破。そのシリーズ最終戦、デュラントは第4クォーター終了間際に延長へと持ち込む同点弾を決めたのだが、シュートの際に3ポイントラインをわずかに踏んでいたことで2点と判定され、バックスは窮地を脱したのだった。もしあの1本が3ポイントとなっていたら、勝ち進んだのはネッツの方だったかもしれない。
その後バックスはカンファレンス・ファイナルでアトランタ・ホークスを4勝2敗で下してファイナルに進出。フェニックス・サンズとの頂上決戦では2連敗から4連勝と盛り返して見事に頂点に立った。

今季もバックスはネッツやヒート、シカゴ・ブルズらと並んでイーストの覇権を争う有力候補であり、再び頂点に立つ実力は十分にあると言っていい。

はたして今季、彼らの最終着地点はどこになるのか。アデトクンボがリーグのベストプレーヤーの1人であることは誰もが認めるところだが、チームを連覇へと導き、オリーの意見を覆すことができるのかに注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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