ウォリアーズGMが2020年のドラフトを回想。ラメロをスルーしワイズマンを指名した理由とは<DUNKSHOOT>

現時点の実績、実力はラメロ(右)の方が上。ただ、優勝を経験するのはワイズマン(左)が先かもしれない。(C)Getty images
現地時間12月19日(日本時間20日、日付は以下同)を終えた時点で、ゴールデンステイト・ウォリアーズは24勝6敗(勝率80.0%)でウエスタン・カンファレンス2位。ウエスト首位でリーグトップのフェニックス・サンズ(24勝5敗/勝率82.8%)とは0.5ゲーム差と、激しい争いを展開している。

ステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーンという強固な核に加えて、アンドリュー・ウィギンズやジョーダン・プール、オットー・ポーターJr.にネマニャ・ビエリツァといった好選手が揃う今季のウォリアーズ。さらに、今後は攻守兼備のオールスターガード(クレイ・トンプソン)と期待の若手ビッグマン(ジェームズ・ワイズマン)が故障から復帰予定で、さらなる戦力アップが望めそうだ。

ワイズマンは2020年のドラフト1巡目2位でウォリアーズが指名した213cm・108kgのサイズを誇るビッグマン。昨季は39試合(うち先発27試合)に出場し、平均21.4分のプレータイムで11.5点、5.8リバウンド、0.9ブロック、フィールドゴール成功率51.9%を残したものの、4月に右ヒザ半月板を損傷しそのままシーズン終了、今季の復帰に向けて調整を続けている。
2020年のドラフトでは、ワイズマンのほかにアンソニー・エドワーズが全体1位でミネソタ・ティンバーウルブズから、そして3位でラメロ・ボールがシャーロット・ホーネッツから指名受けた。スウィングマンのエドワーズは昨季ルーキートップの平均19.3点をマークし、今季は早くも平均20点(22.1点)の大台を突破。司令塔のボールも昨季平均15.7点、5.9リバウンド、6.1アシスト、1.6スティールを記録して新人王に輝くと、今季もここまで平均20.3点、7.6リバウンド、8.1アシスト、1.9スティールと、さらに成績を伸ばしている。

そんななか、ウォリアーズのボブ・マイヤーズGM(ゼネラルマネージャー)が先日『The Ryen Russillo Podcast』に出演。当時のドラフトについてこう話していた。

「我々はジェームズに絞っていた。そして実際にラメロの前に彼を指名したんだ。我々はすべてのことについて話し合っていたんだ……。自分たちが思っていた以上に、細かい部分まで議論していた」
そして「ラメロのことも観ていた。我々とも素晴らしいワークアウトをしていたんだ。だから彼は本当にいい選手になるんだと我々全員がわかっていた」と明かしたマイヤーズGM。ウォリアーズにはカリー、トンプソンに加えてプールやデイミオン・リーがおり、バックコート陣は充実している。ただ、昨季はトンプソンが故障により全休しただけに、もしカリーとボールが組んだらどんな連携を見せていたのかは興味深い。

だがウォリアーズは、フロントコートのサイズアップを重要視してワイズマンを指名。その後チームは昨季途中にゲイリー・ペイトン二世、今年のドラフトでモーゼス・ムーディーをバックコートへ加えており、選手層の厚いチームを形成した。
現時点で言えば、エドワーズとボールが2020年ドラフト組の出世頭となっていることは間違いない。ただし、彼らよりもチャンピオンシップ獲得に近いのはワイズマンと言えるだろう。

20歳のワイズマンがコートへ復帰し、グリーンやケボン・ルーニー、ビエリツァらと共闘してチームを覇権争いに貢献できれば、ウォリアーズのドラフトは十分成功だったと評価していいはずだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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