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「時間の問題だった」カリーの“偉大な3ポイント記録”更新にOBは平然「初めて見た時から、俺には分かっていた」<DUNKSHOOT>

カリーは12月14日のニックス戦、通算3ポイント成功数で歴代トップに浮上した。(C)Getty Images
 現地時間12月14日、聖地マディソンスクエア・ガーデン(MSG)で行なわれたニューヨーク・ニックス戦で、ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーが第1クォーター中盤までに2本の3ポイントを成功。これにより、レイ・アレン(元シアトル・スーパーソニックスほか/2973本)の記録を抜いて、レギュラーシーズン通算成功数でNBA歴代トップに浮上した。

 アレンが1300試合、3位のレジー・ミラー(元インディアナ・ペイサーズ/2560本)が1389試合でここまで記録を伸ばしてきたのに対し、2009年のドラフト1巡目全体7位でウォリアーズから指名されたカリーがわずか789試合目でNBA新記録を打ち立てたことからも、そのペースは図抜けている。

 今季のカリーは3ポイントの試投数(平均13.4本)、成功数(同5.4本)でいずれもキャリアハイペース。成功率も39.9%と高確率で決め続けている。

 通算成功率でもNBA歴代7位の43.1%を残しており、アレン(40.0%)、ミラー(39.5%)を上回っているのだから、カリーが「この記録を作るまで、僕は自分のことを史上最高のシューターと呼ぶことはなかった。でも今ならそう言える」と語るのも頷ける。
  シャーロット・ホーネッツなどでプレーしてきたシャープシューター、デルを父に持つ二世選手とはいえ、カリーがこれほどまでの速さで3ポイントを山積みし、ゲームチェンジャー(変革者)となってバスケットボール界に革命を起こすと予想していた人はほとんどいなかったのではないか。

 もっとも、ウォリアーズで6シーズンをプレーしてきたジェイソン・リチャードソンは、早くからカリーの成功を予想していたという。その歴史的瞬間から一夜明けた15日に『95.7 THE GAME』へ出演した元名手は、今回の記録更新について「時間の問題だったのさ」と語り、こう続けた。

「彼がウォリアーズからドラフトされた2009年に、俺がツイートしたものをファンが切り取ってくれた。そこで俺(とステフ)、あとブレンダン・ヘイウッド(元ワシントン・ウィザーズほか)でトレーナーたちと一緒にワークアウトしていたんだ。そこで俺は『ウォリアーズファンの皆、ステフィン・カリーはすごくいい選手になるぞ』とツイートしていたんだ」
  リチャードソンがウォリアーズへ在籍していたのは01-02~06-07シーズンまで。カリーとの共闘経験はないが、パワーとスピード、ジャンプ力を兼備していた男は02、03年にオールスターのスラムダンクチャンピオンとなり、07年のプレーオフでは第8シードながら1位のダラス・マーベリックスを撃破するアップセットにも貢献した。

 キャリア平均17.1点、5.0リバウンド、2.7アシスト、1.2スティールに3ポイント37.0%(平均1.9本成功)を誇るスコアラーは当時をこう振り返る。

「俺には(3ポイント成功数で歴代1位になると)分かっていたよ。デイビッドソン(大学)から飛び出してきた彼を初めて見た時からね。ワークアウトで彼がショットを繰り出す姿は、俺が今まで見たこともなかったものだった」
  デビュー当時のカリーはまだ細身で、キャリア初期には度重なる足首のケガに悩まされることもあった。だが12-13シーズンから健康体を手にし、徐々にリーグを席巻していき、MVP、そしてチャンピオンへと飛躍を遂げた。

 ニックス戦後に「誰も手の届かないところまで数字を伸ばしていけたらいいね」と語ったカリー。歴代トップに立った男はこれに満足することなく、今後も着実に3ポイントを積み重ねていくだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】プレーでもルックスでもファンを魅了!NBA史上最高のシューター、ステフィン・カリーの厳選ショット!
 

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