「僕をガードするのは難しくなったと思うね」数字が示す“モラントがスターとなった理由”<DUNKSHOOT>
キャリア3シーズン目をプレーするメンフィス・グリズリーズのジャ・モラントは、今季15試合を終えて平均26.0点、6.3リバウンド、7.1アシスト、1.6スティールという堂々たる成績をマーク。平均得点はリーグ8位、アシストは同11位、スティールでは同14位、さらにフィールドゴール成功率(50.2%)と3ポイント成功率(38.4%)はいずれも自己ベストと、圧巻のパフォーマンスでチームを牽引している。
加速度的に成長する22歳の司令塔は、190㎝・78㎏とポイントガードとしてはサイズがあり、類い稀な身体能力も兼備。空中でアクロバティックなプレーを披露して、何度もハイライトシーンを演出してきた。
グリズリーズは彼の能力を最大限に生かすべく、チームメイトたちがスクリーンをかけたり、スペースを作ってドライブのルートをお膳立て。ここまでモラントは、1試合平均のドライブ数でリーグ3位の20.5回を記録している。
そしてリム周りにおけるシュート成功率も年々上昇。1年目の60.9%から2年目は64.0%までアップし、今季は69.8%と、7割に迫る成功率を叩き出している。
そんななか、『ESPN』でNBAアナリストを務めるカーク・ゴールズベリーは、現地時間11月19日(日本時間20日、日付は以下同)終了時点における各エリアのリーディングスコアラーを掲載した。
トップ・オブ・ザ・キーと左右ウイングの3ポイントはステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、両コーナーからの3ポイントはジョー・ハリス(ブルックリン・ネッツ)とグレイソン・アレン(ミルウォーキー・バックス)がトップ。
そしてフリースローエリアはデマー・デローザン(シカゴ・ブルズ)、左右エルボーはクリス・ポール(フェニックス・サンズ)とラッセル・ウエストブルック(ロサンゼルス・レイカーズ)、両サイドにはポール・ジョージ(ロサンゼルス・クリッパーズ)とタイラー・ヒーロー(マイアミ・ヒート)、そしてゴール下にはモラントが入り、ビッグマン不在という結果となった。
この表を見たモラントは「カレッジから飛び出した時、彼ら(否定的な人たち)は『僕が小さすぎて、NBAのビッグマンを相手にリムでフィニッシュできないだろう』と言っていた。でも僕はうまくやっているように見えるね」と誇らしげに綴っていた。
今季のグリズリーズは、20日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦に95−138で大敗を喫し、成績は8勝8敗の勝率5割。ただ、10月28日には絶好調ウォリアーズに今季初の黒星をつけるなど、地力があるのは間違いない。
20日のウルブズ戦では今季自己ワーストタイの11得点に終わったモラントだが、オフシーズンに3ポイントを磨いてきたことで自信を増しており、18日のクリッパーズ戦では5本中2本の長距離砲を沈め28得点をマーク。「ディフェンスで僕をガードするのはより難しくなった気がするね。僕はスリーを決められるし、ミドルレンジのプルアップだって決められる。それに空いたスペースへ入り込んでフローターを決めることもできる」と話しており、より止めることが厄介な選手へと化している。
2年連続のプレーオフ進出、そしてチャンピオンシップ獲得という高みを見据えるモラントの進化は止まらない。今後も存在感を増し、リーグを席巻していくことだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
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