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大谷翔平,野球

来季の大谷の収入は70億円超え?世界で活躍する日本人アスリートの収入を解説

写真:大谷翔平(Photo by Diamond Images / Getty Images)

今季の日本スポーツ界において、主役として話題をさらったのがロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平だ。46本塁打&9勝の二刀流でMVPを獲得した昨季からさらに進化した姿を見せ、34本塁打&15勝に加えて、投打での“ダブル規定到達”という近代野球では前人未到の記録を成し遂げた。そんな中で10月1日に発表されたのが、エンゼルスと来季年俸3000万ドルでの1年契約だ。日本円にしておよそ43億円で、大谷は名実ともにスター選手の仲間入りを果たすことになる。そこで、今回は世界を舞台に活躍する日本人アスリートと年収にスポットを当てて、その詳細について深掘りしていきたい。(文・井本佳孝)

競技内外の合算が年収となる

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(Photo by Sutad Watthanakul)

アスリートの年収を見る上で指標となるのが米ビジネス誌『フォーブス』から毎年発表される「世界スポーツ選手長者番付」だ。同誌が業界関係者の協力のもと1年間の収入を追跡し、競技収入は賞金、給料、ボーナスを含めて計算、競技外での収入が100万ドル以下の場合は50万ドルと表記、などの算出方法で作成している。

アスリートの年収は競技収入と競技外収入の2つの合算によって算出されている。競技収入は団体スポーツなら所属クラブから支払われる年俸や契約金、格闘技なら試合によって組まれるファイトマネー、ゴルフなら大会出場による獲得賞金などが主な収益源となり、形態は競技によって異なるものの、それぞれの競技を通して受け取る収入という面では一致している。

一方、競技外収入に該当するのがスポンサー契約・広告料、出演料、ライセンスの収入などで、純粋な競技での実力に加えて、選手としての好感度、企業や世間から持たれるイメージ、また社会に与える影響力などの多角的な要素が重要になってくる。さらに、近年では影響力の高さを活かし、自ら事業を立ち上げる選手も増えてきており、それらを含め競技外で得たお金が競技外収入として加算され、アスリートの年収に関わってくる。

MLB以外では各競技のトップランナーが上位に

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2022年版のアスリート年収ランキングで日本人1位に輝いたのがテニスの大坂なおみで、その金額は約71億円。これは全体のスポーツ選手の中でも19位に該当する。2018年に全米オープンを初制覇し、2019年にはアジア人初の世界ランキング1位に立つなど数年でスターダムを駆け上がった大坂はSNSでの発信、社会問題や多様性への問題提起などコート外でも注目を集める選手である。多額のスポンサー収入だけでなく自身でマネジメント会社を立ち上げるなど、既存の枠に捉われない新時代のアスリートといえる。

次にランクインするのが野球の大谷、ゴルフの松山英樹の2選手でそれぞれ約30億円を稼いだ。大谷は2022年度の年俸は550万ドル(約6億円〜6.3億円)と言われており、2021年の活躍によるスポンサー収入が多くを占めて2位に入った。また、ゴルフ界の稼ぎ頭である松山はPGAツアーで日本人最年少と最多優勝記録を誇っており、2021年度は日本人史上初のマスターズ制覇も成し遂げた。大谷も松山はそれぞれの最高峰であるMLBとPGAツアーで成果を上げてきた結果がこの順位に反映されている。

そのほか上位を見ると、ダルビッシュ有(約27.6億円)、錦織圭(約24.6億円)、鈴木誠也(約20.2億円)、八村塁(約15.9億円)といった選手が名を連ねる。日本人選手の活躍が当たり前になったMLB所属選手を除くと、各競技のトップランナーが名を連ねている。現状の日本人選手でスポーツ面の競技収入が見込めるのは豊富な実績がある野球で、それ以外では、スポンサー契約や広告による競技外収入が重要な役割を果たす。また、女性アスリートは大坂に続くのがゴルフの畑岡奈紗(約3.6億円)、渋野日向子(約3.5億円)の2人と大きな開きがあり、より大きな市場である世界の舞台で結果を残すことが求められてくる。


(次のページ「大谷は収入面でも“超一流”の仲間入り」へ続く)

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