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パ・リーグ6球団から“新人王候補”を選ぶなら?西武の即戦力左腕コンビ、オリの“失敗しない男”に期待!<SLUGGER>

西武ドラフト2位の佐藤。同じくルーキーの隅田とともに存在感を放っている。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)
 3月25日のプロ野球開幕に向け、オープン戦ではルーキーたちのアピールが続いている。ここでは、パ・リーグ6球団それぞれの新人王候補たちにスポットを当ててみよう。

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▼オリックス
渡部遼人(外野手)

 慶応大では4年間で24盗塁を決め、成功率100%だった“失敗しない男”。プロでは足だけでなくバットでもアピールしている。2月27日のソフトバンク戦では、千賀滉大の150キロ超えのストレートを捉えて2安打。以降も安打を量産し、3月15日時点で打率.333と絶好調だ。

 アマチュア時代から巧打が売りで、プロ入りしてからも「本塁打は狙ってないですね」と断言。「僕は出塁と盗塁。進塁にこだわりたい」とあくまで自分の役割に徹する姿勢。最終的な目標は「1番・センター」だが、目標とする存在でもある福田周平が高い壁として立ちはだかる。今後も結果を残し続けて高レベルのレギュラー争いを勝ち抜けば、新人王も一気に近づくだろう。
 ▼ロッテ
松川虎生(捕手)
廣畑敦也(投手)

 市和歌山高からドラフト1位で入団した松川は、高卒新人捕手としては異例の活躍を続けて話題沸騰。打席での佇まいは新人離れしており、どっしりした構えから柔らかい打撃で安打を放つ姿に、井口資仁監督から「城島健司のような打てる捕手になる」と大きな期待を寄せられている。3月9日の日本ハム戦では開幕投手の石川歩とバッテリーを組み「キャッチングが良いので投げやすかった」とお墨付きをもらい、史上3人目の高卒開幕スタメン捕手に一歩近づいた。

 とはいえ、高卒新人捕手の新人王は過去に一人もおらず、かなり壁が高いのも事実。そこで、ここではもう一人、三菱自動車倉敷オーシャンズから入団した廣畑も挙げておこう。先発とリリーフの両方をこなしながら、オープン戦ではここまで4試合で失点は1点のみ(1本塁打)と好投。最速154キロの速球とカーブで堅実な活躍を続け、存在感を増している。もともとドラフト時から即戦力の呼び声が高く、このまま前評判通りの活躍を続けられれば、新人王争いに加わる可能性は十分ある。
 ▼楽天
松井友飛(投手)

 左足を上げる前に一度背後へ逸らす“振り子投法”から150キロを連発する金沢学院大出身の剛腕ルーキー。スピードだけでなく、190センチの長身から投げ下ろす速球には角度もキレもある。

 2月26日のヤクルト戦では1死一、二塁のピンチにから2者連続三振で切り抜けるなど、マウンド度胸も満点。3月7日の阪神戦では11球で三者凡退、11球中5球投じた直球はすべて150キロ超えだった。オープン戦では11日時点で3試合に登板し、いまだ無失点。わずか2安打と完璧に封じている。

▼ソフトバンク
スチュワートJr.(投手)

 キャンプでは腹直筋の炎症を起こしてリハビリ組となったこともあり、いまだオープン戦では一度も登板がないが、2018年のMLB新人ドラフトで全体8位指名されるなどポテンシャルはまさに超一級品。外国人選手ではあるが、海外プロリーグに参加した経験がないことから新人王資格はある。

 昨年は来日3年目で初めて一軍マウンドを体験。11登板で防御率6.08ながら、8月15日の日本ハム戦では先頭打者に四球を許した後は15人連続で打ち取り、継投ノーヒッターの一角を占めた。また、9月5日のオリックス戦では6者連続三振と圧巻の投球を披露。そろそろ完全開花を期待してもいい頃だ。
 ▼日本ハム
水野達稀(遊撃手)
北山亘基(投手)

 ドラフト3位でJR四国から入団した水野は、新人ではチームで唯一、一軍キャンプを完走。二遊間を守りながら殊勲打を連発し、2月16日の巨人との練習試合では3者連続初球タイムリーの口火を切る決勝タイムリー。3月5日の同カードでも菅野智之から二塁打&8回に初球エンドランのサインに応えて適時打を放ち、11日の広島戦では4番も任されるなど存在感を発揮している。

 一方、京都産業大出身の北山はドラフト8位という低順位ながら、力強いストレートでアピールを続けている。3月3日のヤクルト戦では、いきなり自己記録を3キロも更新する最速156キロをマークするなど、3者連続空振り三振。9日のロッテ戦では4者連続を含む2回5三振と圧巻の投球で、武田勝コーチから「あれバケモンですね、バケモン」と絶賛された。

▼西武
隅田知一郎(投手)
佐藤隼輔(投手)

 昨年のドラフトで4球団が競合した大学No.1投手が隅田だ。キャンプではプロ用に作ったグラブが実は規定違反という不運もあったが、紅白戦から好投。対外試合2試合で早くも開幕ローテーション内定をつかんだ。

 オープン戦でも2月27日の対ロッテ練習試合では3回4安打1失点。スライダー、スプリット、カットボールで2つの計4三振と変化球を使いこなした。新しいグラブが届いた3月5日広島戦では速球で押すピッチングで、5回無失点に封じた。12日のロッテ戦でも6回3失点と試合を作り、開幕2戦目での先発が有力視されるほどになっている。

 また、こちらは決め球のスライダーの改善に苦心しているが、ドラフト2位の佐藤隼輔(筑波大)も5日は隅田の後を受けて4回1失点でセーブを挙げた。さらに12日のロッテ戦でも登板し、1イニング無失点。粘り強い投球を評価され、辻発彦監督からはリリーフでの開幕一軍も示唆された。

構成●SLUGGER編集部

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