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MAX104マイルの“規格外”助っ人! 千葉ロッテが獲得したゲレーロが抱える不安は“諸刃の剣”とも言える速球に

まるで大砲のような力のある速球が自慢のゲレーロ。しかし、彼には不安要素も少なくない。(C)Getty Images
“規格外”とも言える剛腕投手がやってくる。12月18日、千葉ロッテは、コロンビア出身のタイロン・ゲレーロの入団が決まったと発表した。

 現在30歳のゲレーロは、メジャーでの登板経験もある右腕だ。2016年にサンディエゴ・パドレスに、18年からの2年間はマイアミマーリンズに所属して通算113試合に登板。2勝5敗15ホールド、防御率5.77という戦績だった。

 今季はシカゴ・ホワイトソックス傘下の3Aシャーロットでプレーしていたゲレーロ。彼は、いったい何が“規格外”なのか。それは203センチ、体重112キロの巨躯から投げ下ろす4シームにある。

 何よりも桁違いに速い。2018年に記録した自己最速は104マイル(約167.3キロ)で、数多のスピードボーラーが集うメジャーでも、アロルディス・チャップマン(現ニューヨーク・っヤンキース)やジョーダン・ヒックス(現セントルイス・カーディナルス)というトップレベルに並ぶ速さを持っている。

 井口資仁監督が今回の入団発表に際して、「背が高く角度のあるボールを投げる。打者は凄く速く感じると思う」と期待を寄せる4シームを軸にした投球で三振も奪う。今季はマイナーながら11.84という高い奪三振率も記録しており、相手を牛耳るようなピッチングが魅力と言えるだろう。
 もっとも不安要素がないわけではない。それだけのポテンシャルを持ちながら、30歳でマイナーに甘んじているのにもわけがある。というのも、制球力がすこぶる悪いのだ。

 コントロールの不安定さは数字が如実に物語る。マイナーでの通算与四球率は5.83と決して芳しくはなく、自滅するケースが少なくないのだ。防御率が6.63だった今季も与四球率は5.68と大いに荒れ、WHIP(与四球+被安打÷イニング)も2.21と安定しなかった。

 ただ、「後ろの方で期待しています」と語った井口監督は「コントロールもしっかりとしている」と太鼓判を押している。それだけにロッテは致命的とも言える制球難のリスクを背負ってでも、日本では例を見ないほどの剛速球に魅力を感じていると言えそうだ。

 はたして、“諸刃の剣”とも言えるゲレーロの剛速球は日本でも異彩を放つのか。幕張での活躍に注目したい。

構成●THE DIGEST編集部
【動画】球場を騒然とさせたゲレーロが投げ込んだ104マイルシーンをチェック

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