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名古屋生まれの韓国の至宝はNPB入りを果たすのか?韓国メディアが指摘する移籍のメリットは「イ・スンヨプ級のフィーバー」

韓国プロ野球界で屈指のスラッガーへと成長を遂げているイ・ジョンフ。かつて父がプレーした日本球界への挑戦を決めるのか。(C)Getty Images
韓国球界の至宝が、“帰還”を遂げるかに注目が集まっている。KBOリーグのキウム・ヒーローズに所属しているイ・ジョンフだ。
【動画】父親譲りの巧みなバットコントロール! イ・ジョンフの打撃シーンをチェック

現在23歳のスラッガーは、1998年から4年間、中日でプレーした父・イ・ジョンボムの血を受け継ぐサラブレットだ。秀でた打撃センスは父親譲りで、123試合に出場した今季は、打率.360で史上初となる親子での首位打者を獲得。さらに78得点、84打点、10盗塁、OPS.960というハイアベレージを叩き出した。

今夏に行なわれた東京五輪でも韓国代表の中軸を打ち、12月1日には、韓国プロ野球選手協会が選出する最優秀選手賞も受賞。いまや「韓国球界の顔」と言っても過言ではない存在なのである。

そんな天才サラブレットの去就がにわかに騒がしくなっている。12月4日には、韓国のポータルニュースサイト『MK』が、「日本野球界は、イ・ジョンフに対する未練を捨てきれずにいる」と報道。さらに「メジャーリーグ球団との入札競争も辞さないという強い意志を持った球団も確認されている」とレポートを続けた。

「メジャーリーグ球団との争いとなれば、財政面で守勢に回るしかない日本勢だが、最後まで獲得を諦める気のない球団が明らかになった。KBOリーグ関係者は、『最近、日本の球団関係者が、イ・ジョンフについて非常に高い関心を持っている』と語っており、本人が海外進出の意思を固めれば、間違いなく競争に参戦するはずだ」
では、一体どこが獲得に乗り出そうとしているのか。かねてから囁かれているのは、父・イ・ジョンボムが活躍し、自身の生まれ故郷でもある名古屋を拠点としている中日だ。

平田良介や大島洋平がベテランの域に達したチームは世代交代が急務とされている。さらに今季からイ・ジョンボムとチームメイトだった立浪和義が指揮官として就任。獲得に動き出してもおかしくはない材料は揃っている。

イ・ジョンフについて「かつて読売ジャイアンツに加わったイ・スンヨプが起こした最大級のフィーバーを作り出せる」と説いた『MK』は、球団名こそ明確にしなかったものの、獲得のメリットを次のようにも論じている。

「特別なスランプもなしにプロ生活を送ってきたイ・ジョンフは、日本で失敗を経験した父に代わって、日本のプロ野球で成功を収めるというストーリーが描き出せる。さらにハンサムなルックスで、韓国でも人気の高い彼を迎え入れば、放映権やユニホームなどの関連グッズの売り上げ増加が期待できる。抜群の野球センスとスター性を兼ねた最高の商品だ」

打高投低の感が否めない韓国球界だけに、イ・ジョンフが日本に馴染めるかは不透明な部分もある。だが、山本由伸(オリックス)らと同世代である彼は、いまだ伸びしろが十二分にあり、適応にも時間を擁さない可能性もある。

はたして、名古屋生まれの韓国の至宝が、父のように日本球界に挑戦する日は訪れるのか。その去就から目が離せなくなってきた。

構成●THE DIGEST編集部

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