＜マイナビネクストヒロインゴルフツアー◇第7戦 リオン・ドールコーポレーション／ゼビオグループチャレンジカップ◇3日◇本戦 一日競技◇ボナリ高原ゴルフクラブ（福島県）◇6418ヤード・パー72＞
今季、全15試合が予定されているマイナビネクストヒロインゴルフツアー。第7戦「リオン・ドールコーポレーション／ゼビオグループチャレンジカップ」を終え、昨季年間ポイントランキング女王の和久井麻由が今季もポイントランキングで上位をキープしている。トップ10入賞が5回でそのうち単独2位と2位タイ1回ずつ、そして単独3位も2回。安定した成績を残してはいるのだが、和久井が目指すのは頂点、優勝のみ。今大会終了後も、「また2位です」と納得のいかない表情でつぶやいた。
前戦「PGMシリーズ Cool Cart CUP」では、一時トータル7アンダー・単独首位に立つも“上がり3ホール”で2つスコアを落とし、優勝には手が届かなかった。「自分のメンタルが本当に弱い」と悔しさのあまり大粒の涙を流した。だからこそ、今大会こそはとリベンジ戦として挑んでいた。
1アンダーで迎えた後半14番パー4でバーディを奪うと、16番パー5、17番パー4で連続バーディ。「優勝争いしていたわけではなかったので、無欲でやれていました」と、和久井。
最終18番パー4はセカンドショットをピン2メートル弱の位置につけるも、バーディパットはカップの右をかすめてパー。「最後入れたいと思ったら外した。入れたかったですね…やっぱり私には無欲が大事」と、振り返った。
だが、課題にしていた“上がり3ホール”のうち2ホールはバーディ。苦手克服か？ と問うと、「後半追い上げました。けど、最後バーディパットが決められていないので、克服はしきれていません。ショットの調子は悪くなかったので、もう少し無欲なゴルフができていたらスコア出せたかな」と、己に厳しい評価を下す。
そんなやり取りをしていると、「また2位！」と和久井の母が声をかけてきた。試合の送り迎えなどサポートをする母に、いつもどんな言葉を和久井にかけているのか聞いてみると、「あまり欲を出すなって言っています。何も考えずに、いつもと同じように楽しくラウンドしてきなよ」と、見送っているという。いつもそばで見守っている母親だから、「無欲」という和久井の思いと同じだし、かける言葉はあたたかい。
母に背中を押されて和久井の気持ちは、16日（水）から始まるプロテスト（1次予選A地区・那須小川GC）に向けてすでに切り替え完了。誰もが必死になり、欲を出してしまうのがプロテスト。だからこそ、「欲を出さないためにも、あまり考えないようにする」と和久井は己をいましめる。
そして「ネクストヒロインの8戦目も頑張ります。次こそ勝ちたいので」と、強い気持ちを見せた。1次、2次、最終と続くプロテスト合格に向かっていい流れを作るためにも、同ツアーでの試合内容が大事になってくる。
どこまで無欲のゴルフに徹することができるのか。昨季女王の意地を残り8試合、そしてプロテストで見せることができるか。マイナビネクストヒロインの次戦「PGMシリーズ GRAND PGM CUP」は31日（木）から2日間の日程で大宝塚GC（兵庫県）にて行われる。（文・高木彩音）
※ネクストヒロインゴルフツアー（共催：株式会社マイナビ、株式会社ALBA、株式会社ALBA TV）は将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として2019年に始まった。今シーズンは全15戦が予定されている。出場選手は年間ポイントランキングによるシード、前大会成績上位者、主催者推薦、ファン投票などによって決められる。
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